「ムーミンを読む」 冨原 眞弓 著
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2006-03-07)
『ムーミン谷の夏まつり』—–スナフキンのとまどい
1.「この世は舞台(テアトルム・ムンディ)」 2.「まちがいの喜劇」 3.「尺には尺を」 4.「夏の夜の夢」 5.「終りよければすべてよし」
今日の所は、第五作目『ムーミン谷の夏まつり』について。
物語の進行にあわせて解説している。
この物語は、全体が芝居仕掛けになっている。
第一作『小さなトロールと大きな洪水』や『ムーミンパパの思い出』のトゥーヴェ・ヤン ソンは、スカンディナビアの伝統にのっとって英雄譚(サーガ)の語り部をつとめた。『楽しいムーミン一家』では、魔法をあやつる魔術師の手ぎわで変身譚 (メタモルフォンス)の妙をくりひろげてみせた。
第五作にあたる『ムーミン谷の夏まつり』は、ふんだんに演劇的な味つけをほどこされて、シェークスピア的な「この世は舞台」にヤンソン流のひねりを加えた「夏の夜の夢」となる。(抜粋)
物語は、洪水で劇場が流されてくる所からはじまる。(ムーミンたちはそれが、劇場である事を物語の中盤までしらない)
そして、ムーミントロールとスノークの女の子が一緒に流され、またミイも流され、物語は3つの場面に別れる。
その後、各々の物語が展開していって、最後にムーミンママやムーミンパパたちが劇をしてそこに、ムーミンとロール、スノークの女の子、ミイ、スナフキンなどが集まり大団円となる。
北欧では夏至にひみつの呪文をとなえると、願いがかなうという言い伝えたあり、それがこの物語のスパイスとなっているようだ。
夏至の夜には恋の魔法もきく。望みがかなうこの機会に、家のなかにこもってはいられな い。白夜の森にくりだして九種類の花をつまなくては。呪文をとなえ、足をふみならして、ぐるぐると七回まわり、うしろむきに井戸に近づき、なかをのぞきこ むと、未来の結婚相手がみえる。肝心なのは、なにがあっても口をきかないこと。この掟を破ると、せっかくの魔法も台なしになる。(抜粋)

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