現在『ファンタジーに秘められた宗教』ってのを読んでいるんですが、そこにムーミンも取り上げられている。ムーミンは、これまで何度か読んでいるが・・・宗教性は、あったっけ?みたいな感じでしたのですが、「スクルット(居場所のなさを抱えた小さき者)」ってのがキーワードなのね。
なるほど、では読み返してみるかとも思ったが、結構、量あるよね!ムーミンて。そこで復習のため、前のブログにあったこの本『ムーミンを読む』を再掲載しようと思いました。
(2026年8月9日)
「ムーミンを読む」
冨原 眞弓 著 講談社 2004年 1500円+税
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2006-02-22)
『小さなトロールと大きな洪水』—–物語の序章
1.作者の分身から物語の主人公へ 2.家なき子とパパなき子 3.災い転じて 4.ムーミン谷へ 5.画家から作家へ
この本は、トゥーヴェ・ヤンソンのムーミンシリーズについて、書かれた年代順に一冊ずつ解説をしている。
ちなみに、ムーミンシリーズは、学生のころに英語で読んだ事がある。
(内容について自信がない。)
また、「楽しいムーミン一家」は、日本語でも読んだかもしれない。
今日のところは、『小さなトロールと大きな洪水』について、ムーミンシリーズは『ムーミン谷の彗星』が一冊目であると思っていたけど、その前にこの本があるようだ。(ムーミン童話全集では別巻扱いになっている。)
第二次世界大戦が終った一九四五年、はじめてのムーミン物語『小さなトロールと大きな洪水』が、五十ページにもみたない小冊子として、一般の書店で扱われることもなく、ヘルシンキとストックホルムの駅の売店(キオスク)にならんだ。
これが、ムーミンシリーズの始まりである。
しかし、ムーミントロールの原型は、すでに一九三〇年代半ばに出来上がっていた。当時ヤンソンは反戦・反独裁をとなえる政治風刺雑誌『ガルム』上で風刺画をよせていた、すなわちそのキャラクターがムーミンとロールの原型である。
その当時のムーミントロールは、スリムで無表情であった。
さて、この物語であるが、設定は、ムーミンママとムーミントロールが家をさがしている。(パパは不在である。)
ムーミントロール種族は、北欧独特の塔の形をしたタイル張りのストーブの裏に住んでいた。そして、にょろにょろは人間の家の床下に住んでいる。
(ムーミンパパの失踪はいつも放浪しているにょろにょろにそそのかされて、一緒に旅にでたものである。)
ムーミントロールとムーミンママは途中で出会った仲間と家をさがしているが、そこには幾多の困難がある。
やがて、パパらしい人を見かけたという話があり、ここから話はパパ捜しへとかわる。
一行はパパを追いかけるが、そこに大きな洪水が起こる。
しかし、洪水のおかげでパパの手紙入りボトルを発見する。
いくつかの冒険の後、一行はパパと再会する。
ムーミンたちはめでたく家族の再会をはたし、ピクニック気分でさまよううちに、「どこよりもうつくしい谷」にやってきた。草地のまんなかには、タイルストーヴそっくりの家がたっている。青いペンキがぬられた灯台みたいな家だ。(抜粋)
ここから、ムーミン谷のムーミン屋敷にくらす、本来の話が始まる。
次に、ヤンソンがムーミンシリーズを書くきっかけについて語ったインタビューが載っている。
一九五二年の新聞インタビューでヤンソンはいった。
わたし自身は自分を根本において画家でると考えていますが、一九四〇年代の戦時中は失意のどん底で、とうとうおとぎ話(サーガ)を書きはじめました。じつ をいうと、現実に背をむけて、つくられた世界にひたるという一種の逃避でした。〔・・・・・・〕愛にみちた子どもっぽい世界にもぐりこむのが、すこしばかり気がひけたのでしょう。ムーミン谷の住人たちを絵にするときは、いわば弁護するかのように、みっともない姿に描いたのです。(抜粋)

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