『忙しい人のための美術館の歩き方』 ちいさな美術館の学芸員 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
第4章 SNS時代の美術館 鑑賞する側が主役になる 3 鑑賞メモの力を今こそ伝えたい
今日のところは「鑑賞メモの力を今こそ伝えたい」である。前節において、主体的な鑑賞をするには、アウトプットが大切である、ことがわかった。そのアウトプットをするための秘訣として、著者は「鑑賞メモ」を取ることを勧めている。それでは読み始めよう。
展覧会を楽しむ秘訣・鑑賞メモ
「そこまでおすすめされるなら、ちょっと展覧会の感想をSNS(やブログ)で書いてみるか」と思っているあなたに、さらなる秘訣をお伝えしましょう。なんて大げさに言ってみましたが、単純な話です。展覧会でメモを取りながら鑑賞するのです。(抜粋)
著者は、前著の『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』でもメモを取りながら鑑賞することをすすめたが、その時は「一歩進んだ鑑賞体験」としてメモを勧めていた。しかし、それから考えが変わり「初心者こそメモを取りながら鑑賞」してほしいと思うようになった、と言っている。
ここで重要なのは、メモを取るといっても作品の横のキャプションを書き写すことではいと注意している。そのような記述内容は展覧会図録に載っているし、第一そのようなメモを取っていると展覧会の途中で力尽きてしまう。
私が考えるに、美術鑑賞の楽しさ、面白さとは、他の誰とも違う自分なりの発見、気づきを得ることです。メモはそのためにこそ使うべきものです。(抜粋)
メモは、展示室内で頭に浮かんでくることを何でも書きつけることが大切である。
鑑賞メモの取り方
鑑賞メモは、誰にも見せるものでないので、格好をつけることは禁物である。
美術作品は、作者の感情や思いが込められている。そのため、その前に立った人のなかに、いろいろな言葉や映像が浮かんでくる。ひょっとすると何かのアイデアだって浮かんでくるかもしれない。しかし、そのような考えは、すぐに消えてしまう。だからこそその感想が消える前にその場で書きとめておく置くことが必要となる。
後で調べようと思ったこと、特によかった部分などを、箇条書き程度にささっと書くだけで十分です。(抜粋)
これは、作品を見ているときの志向の流れを思い出すことが目的なので、極端に言えば単語の羅列でもよい。
ここでは、その例として著者自身の鑑賞メモとそれによって生まれたnoteの記述が示されている。
筆記用具、メモ帳について
感想をメモするだけならスマホでも良いと思いがちだが、現在スマホは写真撮影OKの展覧会以外では、メモに使わない方が無難である。
筆記用具は、作品を守るために鉛筆を使う、というルールがあるため鉛筆が基本である。メモ帳としては、何でも良いが、小型・薄型のものが身軽でよい。著者は無印良品のスリムノート、ロルバーンのメモ帳、コクヨの測量野鳥ノート、などを勧めている。さらに、鉛筆をどこにしまっておくかという問題があるので、ダイゴーの「すぐログ」(ジェットエース)、「すぐメモ!」)のような鉛筆と一体型になっているのも良いと言っている。
また、鉛筆は美術館の受付で貸し出してもらえることもあるので、忘れた時は聞いてみると良い。
関連図書:ちいさな美術館の学芸員(著)『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』、産業編集センター、2024年

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