四苦八苦のインバウンド対応 — 美術館の新たな取り組み(その4)
ちいさな美術館の学芸員 『忙しい人のための美術館の歩き方』より

Reading Journal 2nd

『忙しい人のための美術館の歩き方』 ちいさな美術館の学芸員 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

第3章 美術館の新たな取り組み 4 四苦八苦のインバウンド対応

今日のところは、「第3章 美術館の新しい取り組み」の最終章「四苦八苦するインバウンド対応」である。ここでは、日本政府の美術館の観光資源化という方針と、それに伴うインバウンド対応という、美術館に課された新しい変化を取り上げている。それでは読み始めよう。

美術館の観光資源化とその対応

近年、文化庁や国は、美術館の観光資源として活用することを積極的に推進している。文化庁は様々な形でインバウンド需要を喚起することを狙った施策を打ち出している。

このようなインバウンドを念頭に置いたとき美術館の対策として重要なのは「多言語対応」である。受付でのチケット販売ぐらいならば何とかなるが、展示室内の「解説の多言語化」はそう簡単にはいかない。

まず、英語の他に、中国語、韓国語なども入れると、展示作品の周りに大量の解説パネルが並び、展示デザインの観点からもあまり美しくなく、鑑賞する側にとっても煩わしくなる。近年流行りのアプリを利用した解決策、アプリ利用の多元オーディオ解説や二次元コードを用いた多言語解説もあるが、それを導入するには、それなりのお金がかかり、また翻訳自身も学芸員出来るわけでないので外注となる。

文化庁の支援事業の補助金もあるが、これは全額補助ではなく半額であり、中小の美術館としては、その半額の費用の支出も難しいという問題がある。

また、それだけお金と労力をかけても、実際にはほとんど利用されないという現実もあります。(抜粋)

著者は、展示室には日本語の解説パネルだけを置き、最近のスマホに搭載されているカメラで撮ると母国語に翻訳される機能を使えばよいと考えている。しかし、そうなるとスマートフォンを取り出して操作するのが当たり前になり、また、展示室内の撮影問題ココ参照)が持ち上がってくると予想され、新たな問題が生じる。ただし

客観的に見れば、そちらも緩和して撮影を促す方向に変化しつつあるので、もう間もなく美術館でスマートフォンを使うのは当たり前という常識が根付いていくかもしれませんね。(抜粋)

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