文に不可欠な要素
篠田 義明 『コミュニケーション技術』より

Reading Journal 2nd

『コミュニケーション技術』 篠田 義明 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

第三章 文に不可欠な要素

文章の要素として単語前回)の次は「文」である。今日のところ「文に不可欠な要素」では、実用文としての文を書くための注意点がまとめられている。それでは読み始めよう。

実用文としての文の長さ

実用文としての文(センテンス)を考えると、長いセンテンスからなるセンテンス群は理解しがたく、短いセンテンスからなるセンテンス群は読みやすい。これは、古今東西を問わず衆目に一致するところである。

ひとつのセンテンスは、四十字多くとも五十字をメドとするとよい。(加藤秀俊『自己表現』(中公新書)

ただし短文のみをだらだら連ねても理解しがたく、短い文と文のかいだに息のつながりが必要である。(息のつながりについては次章)

実用文では、一般原則として短文が好ましいが、短文がよい文章で、長文がよくない文章であると、単純な決め方ができないことはいうまでもない。一文一文が有機的に結合していなければ、調和をうしなうため分かりやすさをそこなうことも起こることを心に止めておくべきだろう。(抜粋)

ワンセンテンス/ワンアイデア

文は、一つの完全な統一体でなければ、読み手が苦労し、間違った考えに導いてしまう。そのため一つの文が一つの概念というルールを決めておく必要がある。つまり「ワンセンテンス/ワンアイデア」である。幾つもの概念を一つの文に押し込めると、文が長くなり途中で前半を忘れてしまうようなことが起こる。そのようなことが起こらないように「ワンセンテンス/ワンアイデア」で文を区切るとよい。

受動態を多用しない

英語からの影響からか、受動態を多用する人がいるが、英語でも自然な文体は能動態であるので、何らかの理由が無ければ受動態は使わない方が良い。受動態は文の動作主が消えるため内容があいまいになったり文のリズムが壊れ、また文が長くなる原因ともなる。

定義法

定義とは、相手が知らないと思う単語や考えなどを他の言葉で言い直して、その意味をはっきりさせ、誤解を起こさせないようにすることである。(抜粋)

これを形式的な公式であらわすと、

単語=区別+概念

となる。

さらに簡単な定義法としては、同義語や反意語で示す方法がある。

また、定義には、

また、定義には、

区別+概念=単語

のように最初の公式と逆の場合がある。これは、細かい内容を先に説明し、それを専門用語一語でまとめる方法で、読み手にその用語を印象づける効果を持つ。

縁語接近・長遠短接

分かりにくくなる原因の一つに、修飾する言葉と修飾される言葉のつながりが明確でない場合がある。そのため、修飾する言葉と修飾される言葉は、離れすぎない方が良い縁語接近)。また、短い修飾語句と長い修飾語句が並んだ場合は、短いほうを被修飾語の近くにした方が内容が明確になる長遠短接)。

パラレリズムの原則

実用文はすっきりした文章であることが必要である。そのため、文章の修正や遂行の時は、パラレリズム(並列法)の形になるように気をつける。

このパラレリズムには、「ます」調と「である」調の統一などもある。また、「原因→結果」のような内容に関するパラレリズムもあり、スタイルの面とともに考慮する必要がある。

原因・結果の表わし方

文と文はお互いの関連性を持つように結合しなければならない。つまり原因・結果の関連性である。これには、原因→結果、結果→原因いう方向性がある。

語句の重複を避ける

「電球の球」「三日の日」のように一つの文に同じ意味の語句が重複するようことは避けなければならない。また、「・・・など」を多用するのも避け、必要なところ以外は使用すべきでない。


関連図書:加藤 秀俊(著)自己表現: 文章をどう書くか』、中央公論新社(中公新書)、1970年

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