[再掲載] 「優れた左官の”技”を味わう」
NHK「美の壷」制作班 『明治の洋館』より

Reading Journal 1st

NHK美の壺「明治の洋館」 NHK「美の壷」制作班 編
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2009-01-22)

参のツボ 優れた左官の”技”を味わう、コラム 鏝さばきが命の匠のせかい

洋館の装飾には、世界最高水準の左官の技術が生きている。
まず最初に、長野県佐久市の「旧中込学校」を取り上げる。この小学校は、明治8年に村民の寄付により建った。設計したのはアメリカで修業した大工の市川代次郎。

校舎は木造二階建て寄棟造り。さん瓦葺きで、外壁は漆喰仕上げになっているが、建築の中央に空高く伸びた八角塔屋だけは下見板張り。二階の中廊下の突き当たりには、赤青黄緑の色ガラスを八等分にし、はめ込んだ珍しい丸窓がある。さらに、校舎の正面玄関には欧州の古典主義様式を応用した車寄せのポーチ、そして前面にベランダがついてるのが特徴だ。(抜粋)

このような洋風の建築であるが、随所に日本ならではの伝統の技が生かされている。
旧中込学校では「ファンライト」に注目してほしい。ファンライトとは、ドアや窓の上につけれる半円形をした欄間のようなもの。本来なら木の桟で櫛型の枠を作り、ステンドグラスをはめるのだが、旧中込学校のファンライトは、正面玄関などはステンドグラスがはまっているものの、普通の窓などでは、木の枠にあたるところを漆喰でまねて作り、さらにステンドグラスの部分も白い漆喰で塗りこまれてできている。

さらに「盛美館」は、左官技術の展覧会室のようである。彫刻に見える柱の装飾もシャンデリアの上の中心飾りも漆喰である。さらに大理石のように見える床の間の柱も本物の大理石ではなく漆喰で模して作ったものである。

日本の左官職人は漆喰で、ガラスや石、彫刻など、どんな物でも真似てつくリ上げてしまう高い技術を持っていた。(抜粋)

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