『成長を支援するということ』 リチャード・ボヤツィス 他 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
8 コーチングや助けあいの文化を築く(後半)
今日のところは、「8 コーチングや助けあいの文化を築く」の“後半”である。”前半“では、職場などのコミュニティーにコーチングや助けあいの文化を築くために、有効なピアコーチングについての説明があった。今日のところ”後半“は、ピアコーチング以外のアプローチである「内部コーチと外部コーチへのアクセス」及び「マネージャーや上級幹部が部下にコーチングを提供できるようするための幹部教育」についてまとめる。それでは読み始めよう。
外部コーチ及び内部コーチへのアクセス
コミュニティーにコーチングや助けあいの文化を築くためのアプローチとしてコーチを雇うことが考えられる。コーチを外部から雇うか社内人材(内部コーチ)を使うかも問題になる。
その場合問題になるのが誰を雇うかということである。
その場合、大抵の企業はコーチの認定機関と連絡を取ることになる。ここで気を付けたいのが認定機関には2種類あることである。
- その人物が該当機関の特定のアプローチ、テクニック、方法論を学んだことを認定する大学や会社
- その人物が信用できるコーチであることを認定する協会や会社。能力モデルに基づいて認定証を発行する。国際コーチング連盟(ICF)、国際ビジネスコーチ協会(WABC)、センター・フォー・クレデンシャリング・アンド・エディケーション(CCE)などがある
1.の組織は、機関が発行する認定証を信用するしかない。2.の組織にしてもどのようなコンピテンシーや特徴を示すコーチが他のコーチよりも優れているのかという研究がないため、その認定証を見ても自分たちの求めている能力の示しているのかわからない。
また、組織の文化を部外者が理解するのに時間がかかる場合は社内コーチがいると助かる。
マネージャーの育成
コーチを雇う代わりに、マネージャーを育成する、つまり「マネージャーのコーチのマインドセットを植えつけ、順応性が高く業績のよいチームをリードできるようにする」ためにプログラムを導入する、というアプローチがある。
このアプローチは古くからあるが、現在では多くの組織の人材開発スタッフが、マネージャーの役割としてコーチとしての側面を強化しようとしている。そして、長い目で見たときに、組織の将来は、組織内のすべてのマネージャーがよりよいコーチに成れるかどうかにかかっている。
このように、日々の業務にコーチングを加えるためには、コーチングの重要性の周知や、コーチングに必要な視点とスキルの両方を身につけられる研修が必要になる。
もしマネージャーのうち必要最小人数だけでもコーチングを役割の一部ととらえ、日々実践すれば、いずれは組織文化が思いやりや気遣いのあるものに変わっていく。
もしマネージャーや幹部のようなリーダーが、そして親が、コーチングを自分のスタイルの一部として見なすなら---役割を果たすときのふるまいの1つと見なすなら---それもまた、組織や家族の文化を変えるのに役立つだろう。(抜粋)
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