『フランス 26の街の物語』 池上 英洋 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
Chapter 1 人の物語 / 奇跡の泉 — Lourdes(ルルド)
レオナルド・ダ・ビンチの眠るアンポワーズの次は、奇跡が起きたことで有名となった巡礼の地、ルルドである。ここには、行ったことがありまして、小さな街に世界中から集まり賑やかです。駅から続く道にはお土産屋さんがびっしりで、俗っぽく、それにもまして教会も、何となくですが俗っぽい。だか、諸君しかし!ルルドの泉は聖地中の聖地でして、ボクのような非キリスト教徒でも敬虔な気持ちになりました。行くのは大変なところですが、一見の価値ありです!
十四歳の少女マリー=ベルナルド・スービズー(通称:ベルナデッタ)が初めてマリアと出会ったのは、一八五八年二月一一日木曜日のことであった。彼女が妹のトワネットと薪になりそうな木を拾うために森に行ったときのことである。幽霊が出るという噂のある「マッサビエル」という洞窟の入り口で、風の音のようなものを耳にした、そして奥の壁に目をやると、光の中からその女性があらわれたのだった。この話は、徐々に街の人に広まっていった。ほとんどの人はその話を信じなかったが、極わずかの人であるが、それを信じた人達がいた。
彼らの心のどこかで、この純粋そうな少女が見たものが聖母マリアではないかと考え、本当にそのような奇蹟が起こったと信じたい人々だった。(抜粋)
その後、何度もベルナデッタは、友人たちと一緒に洞窟へ赴き、「あそこにいる」と叫んでは、一心不乱に祈るのだった。
最初の出来事から二週間がたった二月二五日のこと。その日も三〇〇人以上の人々の前でベルナデッタは祈り始めた。いつもはその清楚な姿に人々は見惚れるのだが、その日の彼女は突如四つん這いになって動き出し、地面をひっかき始めた。そこから泉が湧き出た。(抜粋)
この話は、ニュースとなり、教会や医師が調査に乗り出した。当初は、検事からその証言を撤回するように迫られたり、ヒステリー症状だと新聞に書き立てられたりしたが、しだいにその奇蹟を信じる人が増えていった。
湧き出た泉の水を飲んだ少年の眼が治癒したという噂も広まり、洞窟には千人もの人が集まるようになる。
七月一六日まで、つごう一八回、聖母は少女の前に姿をあらわした。そのころには洞窟はすでに聖地と化していた。(抜粋)
このように聖母が人々の前に姿をあらわす奇蹟のことを「聖母顕現の奇蹟」と呼ぶが、この奇蹟の年から四年後の一八六二年に、教会の調査委員会は、七件の治癒を泉のものと認め、ベルナデッタの聖母顕現の証言を真実であると判断した。
ベルナデッタは、その後修道女となり、生涯を信仰に捧げた。一八七九年四月一六日、彼女は三五歳で亡くなる。その後遺体はまったく腐敗しないため、一九〇九年と一九一九年、さらに一九二五年に遺体鑑定が行われている。
一九三三年、列聖。少女は聖女となった。(抜粋)
このようにルルドは有名な巡礼地となり、地下聖堂や大聖堂もでき、日々多くの人が訪れるようになった。駅より大聖堂までの道には、レストランや土産屋が軒を重ね、泉の水を入れて持って帰るための瓶がいたるところで売られている。
途中にあるベルナデッタの家の粗末さと、相反するかのように巨大な大聖堂との落差に驚きながら、巡礼者たちが洞窟を目指して歩いていく。(抜粋)

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