PRESIDENT 2026.3.20
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
特集 「英語はAIが9割」 / [AI活用編] 「AIに「翻訳して」と頼んではいけない!英語の悩みが消える「ChatGPT仕事術大全」(後半)
今日から[AI活用編]の”後半“である。[AI活用編]は、主にビジネスでのAI活用を取り扱っている。”前半“では、ChatGPTなどの大規模言語モデルを、「対話翻訳ツール」と捉え、それを効果的に使うためには、使う人が適切なプロンプトを書けるかにかかっていることが説明された。そしてそのキーとなるのが「メタ言語能力」つまり、言葉を直接使うのではなく、一つ上の視点から客観的に説明する能力である。
そしてそのビジネスでの使用法4つのmethodのうち、method1までをまとめた。今日のところ”後半“では、あとの3つのmeshod、「AI壁打ち法」「構造化リーディング」「AI議事録」についまとめる。それでは読み始めよう。
Method 2 英語ペラペラコンサルも実践する「AI壁打ち法」
ここでの問題は、AIに翻訳させた英文を正しく評価する方法についてである。その一つの方法が「逆翻訳」である。つまり「いまの英文を日本語に訳してください」と依頼し、日本語で評価するのである。英語が苦手な場合にはこの方法は役に立つ。
自分の意図をしっかり反映させるためには、AIに複数の翻訳を提示させ、相談しながら進める方法が有効である。たとえば、「3つの案を提示してください」と依頼し、提示された英文を見て「私は2番目が良いと思いますが、あなたはどう思いますか」と尋ねると、AIがその英文に対する解説をしてくれる。このような対話を通じて、最適な英文を選ぶことが出来る。
さらに、受け取った英文についても「この顧客はどれくらい怒っていますか?」「商品を注文してくれる可能性はありますか?」などと尋ねると、相手の感情を分析してくれる。
このようなChat GPTとやりとりしながらメールを修正する場合には「Canvas(キャンバス)」機能が便利である。
筆者の藤森氏は、AIを文章コーチとして活用するための工夫として、先輩や上司が書いたお手本となるメールをAIに読み込ませ、「これらのメールが優れている理由を、構成、トーン、言い回し、相手への配慮、論理展開という5つの観点で分析し、言語化してください」と依頼し、活用している。そして、このような「いいメールの要件」はChatGPTの「プロジェクト機能」や「MyGPTs」に保存している。
山田流プロンプト:翻訳のブラッシュアップ法
- ChatGPTと一緒に比較検討する:ChatGPTに「フォーマル、カジュアル、中間」など複数案を出させたり、複数案のうち「ビジネスメールにふさわしいのは?」と聞いてみたり、「自分は○○案が良いと思うが、懸念点はある?」と尋ねたりしながら翻訳をブラッシュアップする。
- 日本語を逆翻訳して確認する:出て来た英文を日本語に訳してもらい、内容に間違いがないかをチェックする。
- 「なぜそう訳したのか」を質問する:出力された英語に違和感や疑問を感じたら、率直になぜそう訳したかを質問して、AIの説明を聞く。
藤森流プロンプト:クオリティを上げる裏ワザ
- 上司が書いた「手本となるメール」をAIで分析しておく:お手本となるメールを読ませ、そのメールのどこが優れているかを、構成、トーン、言い回し、相手への配慮、論理展開などの観点から言語化してもらう。その結果をメール作成時の条件として「プロジェクト」へ保存する。
- ChatGHPT内の便利な機能を使って前提条件を保存する:
MyGPTs(目的や役割、知識、指示を固定化した自分専用GPTを作れる機能)
Canvas(文章やコードを専用画面で編集・保存ができる機能。文面修正、AIとの共同作業がしやすくなる共同スペース)
プロジェクト機能(プロジェクトごとに会話・ファイル・指示をまとめておく機能。長期にわたる作業の際、情報を一元管理するのに便利。専門用語集、文書のフォーマットを保存もできる)
Method 3 読む時間を9割減らす「構造化リーディングの」やり方
AIは「リーディング」のプロセスも大きく変えてくれる。筆者の一人山田氏は、「まずAIで読むべきものとオスでないものに分ける」作業を行うと言っている。AIに要約させ、全体を把握し、時間をかけて読むに値するかを判断する。メールでは、「要点」「緊急性」「私が取るべきアクション」を抽出する。また論文の場合は、「論文の問い・方法論・結論・妥当性をまとめてください」というプロンプトを使用する。
そして読むべき部分をじっくりと目を通したのち、「議論の相手」としてもAIは活用できる。こちらの疑問や意見をAIにぶつけると、理解の軌道修正をしてくれることもある。
藤森氏は、AIのハレーションを防ぎ正確な要約をさせるためは、「工程を細分化」している。AIは一度に複雑なタスクをこなすと精度が落ちるからである。そのため英語資料をいきなり和訳・要約させるのではなく、英語のままキャプチャーごとに箇条書きで要約させ、そのうえで自分の目的に関連性のある部分を抽出させる。日本語に訳させるのは出来るだけ後がよい。
「こうした『目的ドリブン』のアプローチを経ることで、情報の欠落やAIによる勝手な解釈を最小限に抑えることが出来ます」(抜粋)
また、アウトプットも「文字数制限」だけでなく「メインブレット(主項目)に対して、その根拠となる事実を3~5つサブブレット(補足項目)として並べる」のように構造化の方法も指定する。
また、要約におけるハレーションを防ぐテクニックとして「生のクオート(引用)」の活用がある。つまり根拠となった部分の引用を併記させる方法である。
山田流プロンプト:全文を読む場合も、まずは要約に目を通してから
- ステップ1 読むべきパートの見極め:「問い」「方法論」「結論」「妥当性」を日本語で教えてください。
- ステップ2 読むべきパートの見極め:セクションごとに日本語でサマライズしてください
- ステップ3 詳細読解:以下の段落で著者がいいたいことはなにか、「○〇」という主張の根拠はなんですか
- ステップ4 深堀り質問:この結論について、批判的な視点で分析してください、私は「○○」と理解しましたが、著者の論じていることと一致していますか
ヒント:ビジネスメールでは、AIに相手のメールの行間から、相手がどのような感情であるかを聞いてみることができる。
藤森流プロンプト:いきなり日本語にせず、まずは英語のまま要約させる
- ステップ1 英語のままチャプターごと要約
- ステップ2 それぞれの要約から、読む目的に関係のある部分を抜き出してもらう
- ステップ3 抽出した内容を統合し、もう一度目的に即した全体要約を作成させる
- ステップ4 日本語でまとめてもらう
ヒント:ハレーションや誤訳を防ぐこつ
- A 箇条書きでまとめる際に「根拠となる部分を引用」してもらう
- B ChatGPT自身に整合性をチェックさせる
Method 4 会議の空気を可視化する「AI議事録」の作り方
筆者の一人藤森氏の会社では、会議にチャットGPTのほか、「Zoom AI」、「Microsoft OneNote」のトランスクライブ機能を使う。これらは日本語に比べ英語の認識機能が高い。ここで「Zoom AI」は、内容をリアルタイムで要約してくれるので、会議に途中から来た人に便利である。英語での会議の場合は、話者の「本音の読解」に苦労するが、チャットGPTに会議の文字起こしを読み込ませ、話者の本音を分析させることが出来る。
ミニコラム:英語ミーティングを補助してくれるツール6選
- Zoom AI Companion : 会議を自動で要約してくれる。日本語の要約はまだまだだが、英語の場合はかなり使える。
- Microsoft Copilot for Microsoft 365(Teams) : Teams会議に組み込まれたAIアシスタント。文字起こしをOneNoteへ取り込み、別AIで整理・編集するなどもできる。
- Gemini for Google Workspace : Google Meet で使用できるAI。会議中に議事録を作成し終了後Googleドキュメント形式で自動保存
- Otter.ai(オッター) : 英語圏で最も知名度が高い文字起こしツール。リアルタイムで音声がテキスト化され話者の認識度も高い
- Fireflies.ai(ファイフライズ) : 会議に特化したツール。要約やタスクの整理などに役立。相手の感情を分析してくれる機能もある。
- ti;dv(ティーエル・ディーブイ) : Zoom、Google Meet、Teamsに対応したツール。重要な発言箇所を動画クリップとして切る抜き、リンクで共有。

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