「『史記』の人間学」 雑喉 潤 著 (読了)
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2005-08-10)
第終章 司馬遷と「太史公自序」 おわりに
史記は司馬遷自身の悲劇を乗り越えて書かれているが、「太史公自序」には、過去の重要な書物も悲劇による発奮により書かれているとあるのだそうだ。
司馬遷は記す。
「西伯(文王)は羑里に幽閉されてから『周易』を発展させた。孔子は『春秋』を編纂したのは、陳・蔡で非常な難儀に遭って後だった。屈原の『離 騒』は、追放という悲運のなかから生まれた。左丘明は失明ののち『国語』を著し孫臏は足を断たれてから不朽の兵法を編み出し、呂不韋は蜀 に流されてのち『呂氏春秋』を世に伝え、韓非子は奏に抑留されて『説難』『孤憤』を書いた。『詩経』三百篇の詩も、そのほとんどが聖賢のこみあげる思いの作品である。このように人はみな、心に鬱積したもののはけぐちが見出せぬとき、往時を語って、未来に期待を託したのである。」(抜粋)

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