だれでも読める文字
エルンスト・H・ゴンブリッチ 『若い読者のための世界史』 より

Reading Journal 2nd

エルンスト・H・ゴンブリッチ 『若い読者のための世界史』
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

六 だれでも読める文字

今日のところは、フェニキア人の話。彼らがアルファベットを発明したことが書かれている。
この本は、子供用の本なので、各章はやさしい言葉で短くまとめられている。ページにしてだいたい10ページ前後なのだが、今日の部分は、なんと3ページ!絵もあったりするので、実質2ページかな?

フェニキア人は、ユダヤの都市エルサレムにほど近いテュルスやシドンといった港町に住んでいた。彼らは、遠い国から遠い国へと商品を運び売買する商人である。そして26文字のアルファベットは彼らによって発明された。この26文字は音を表わし、その26音であらゆる言葉が組み立てられた。これはエジプトのヒエログリフ、メソポタミアのくさび型文字ではできることではなかった。

彼らとて、故郷を忘れたわけではなかった。彼らは、テュルスやシドンの友人に、手紙を書くことができたのだ。彼らが発明したあのおどろくほどかんたんな文字で。そしてそれと同じ文字で、今日のわたしたちも書くことができるのだ。信じられないことだが、うそではない。ここにBと書いてごらん。それは、三〇〇〇年前のフェニキア人が異国の岸辺から、活気にあふれた故郷の港町の家族におくった手紙の文字と、ほとんど変わってはいないのだ。このことを知れば、きみはもうフェニキア人のことを忘れないだろう。(抜粋)

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