エルンスト・H・ゴンブリッチ 『若い読者のための世界史』
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
四 日月火水木金土
今日のところはユーフラテス川とチグリス川流域に起こった古代文明、「メソポタミア」について。まずは、エジプトとの違いでこの地域の文明はレンガで建造物を作ったので、古代の都市は崩れ落ち、いまでは丘になっていることが語られている。メソポタミア文明は、ひとりの王が国土を支配することはほとんどなく、シュメール人、バビロン人、アッシリア人などの多くの国の王がこの地で代わる代わる支配した。この地の古代文明は、紀元前三〇〇〇ごろに始まり紀元前五五〇年頃に最後の王朝が亡びた。彼らは、粘土に刻んだ楔形文字を発明し、最古の法典である「ハムラビ法典」を残した。
ここで面白いのは、彼らは天文の観察に長けていて、と天文の話が長々とつづいたあとに、
ある惑星は幸運、ある惑星は不幸をもたらすと信じられた。マルス(火星)は戦争、ヴィーナス(金星)は、愛を意味した。それぞれの惑星の神に、聖なる一日があたえられた。それに太陽と月をくわえて七になるので、今日の七曜が生れた。(抜粋)
と、見事に表題の「日月火水木金土」に着地している。
その後は、見事な天文観測所の話、紀元前六〇〇年ごろのネプカドネザルによるエジプト遠征などが書かれている。
これからきみたちは、週がめぐり、ふたたび日曜日が近づくのをよろこぶとき、ときには暑く荒涼とした平原にそびえ立つ瓦礫の丘、黒く長いひげのいかめしい王たちのことを想うのではないだろうか。いまやきみは、それらのすべてが関係あることを知ったのだから。(抜粋)
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