『ストレスの話 メカニズムと対処法』 福間 詳 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
第Ⅰ部 ストレスとは何か 第4章 ストレス障害とその周辺
ここから第I部の最終の第4章に入る。第I部では、ストレスの概念の解説からはじまり、ストレス障害とPTDSについて、そしてうつ病のうつとストレス障害のうつ症状の違いについて解説された。ここでは、さらにストレス反応の様々な側面をオムニバス的にまとめている。つまり「免疫の低下」「老化現象と認知症」「男女差」「年齢差」「時間の感覚」「空間と距離の感覚」についてである。
免疫の低下
心身にストレスがかかると自律神経やホルモンバランスが乱れるため免疫力が低下する。免疫力の低下により影響を受けやすい疾患には、感染症、アレルギー性疾患及び癌がある。
老化現象と認知症
ストレス障害は老化現象も加速させる。診療場面でストレスを感じ始めてから「白髪が増える」「視力が低下する」「肌が荒れる」「相貌が急に老け込む」といった訴えは多い。また、ストレス障害では、その症状として認知能力が低下するが、長期間にわたりストレスに晒されると老後の認知症にもつながる。
男女差
ストレスに対する性差については、男女の性ステロイドホルモンの影響でストレス耐性が違う可能性があるとしている。しかし、著者はストレス耐性そのものよりも、ストレス対処の男女差に注目している。
以上述べてきたことから「女性のほうが男性に比べてストレスに強い」などと断言する気は毛頭ありません。しかし、ストレスに対処する手段については日頃の臨床からも男性と女性で違いがあるように感じていました。(抜粋)
ストレスに対して男性は個人的な領域での解消を好み、女性は対人的なかかわりの中での解消法を好むという差がある。男性の個人的解消法に比べて女性はサポート型の解消法であり、明らかに女性型の解消法の方が優れている。
年齢差
著者は、検証された裏づけがあるわけでないと断りながらも、年齢とストレス耐性には関係があり、年齢とともにストレス耐性は低くなっているとしている。そして、
私は「三五歳は男性サラリーマンのストレス耐性の曲がり角」という印象を持っています。(抜粋)
と言っている。
時間の感覚
人間の感情を快と不快に分けて時間感覚との関連を考えると、快では時間間隔が短縮され、不快では延長する傾向にある。このような時間感覚の、脳の働きやストレスに影響される。
空間と距離の感覚
人間の感情を快と不快に分けて時間感覚との関連を考えると、快では時間間隔が短縮され、不快では延長する傾向にある。このような時間感覚の、脳の働きやストレスに影響される。
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