ストレスの心理療法
福間詳『ストレスの話』より

Reading Journal 2nd

『ストレスの話 メカニズムと対処法』 福間 詳 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

第II部 ストレスにどう対処するか
   第6章 自分の脳をいかにコントロールするか
   二.ストレスの心理療法―― デブリーフィング

今日のところは「第6章 自分の脳をどうコントロールするか」の2節、前回の1節では、ストレスに対処するために「すべきこと」と「してはならないこと」が解説された。2節では、PTSDのあとに行われる心理療法である、デブリーフィングの解説がなされている。


ブリーフィング」とは、PTSDなどの強いストレスがかかった後に行われる心理療法で、「感情の暴走を事実関係と照らし合わせて、事態にどのように向かうべきかをグループで検証する方法」である。

ストレス状態にある人は、問題の実情、自分の行動と思考、感情を冷静に客観的に分析することは不可能である。これらを客観的に分析するために、第三者が仲介に入る必要がある。著者はその仲介者の必要性を喧嘩の例をもって説明している。

デブリーフィングは、兵士の受けた戦闘ストレスに対する初期段階で米軍によって用いられたものである。これは阪神大震災の被災者にも対しても実施されている。

悲惨な出来事によって引き起こされた激しい怒りや悲しみ、戸惑いなどの感情のために混乱した状態を、初期の段階で情報の共有化を図ることにより、その出来事を再認識することが目的です。具体的には数名程度の小集団に対してデブリーファーという指導者のものとで、上のような六つのステップが実施されます。(抜粋)
  1. 導入:参加意思確認、趣旨説明、自己紹介
  2. 事実確認:正確な事実情報の共有と事実に対する考え方
  3. 反応:怒りの対処、一般的には45分から1時間
  4. 兆候と症状:心理、認知、感情、行動面における変化の認識
  5. 教育:その事故の特異性に合わせて家族への対応、ストレス反応の対処、悲しみの対応等を教育(具体的に)
  6. 再導入:雰囲気の正常化の確認と終了宣言

現代社会のストレスのうち対人関係上のストレスは非常に大きいためこのようなデブリーフィングの理論を知っているだけでも自分のストレスを客観視することにもなり有効である。

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