『作家の仕事部屋』 ジャン=ルイ・ド・ランビュール 編
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
アンドレ・ドーテル – 私は放徨する・・・夢と街と言葉のなかを・・・
アンドレ・ドーテル(André Dhôtel)は、小説、エッセー、詩人ランボーの評論や伝記などを著している。特に彼の短編小説は群を抜いている。
仕事の仕方
仕事をする際にテーブルに向って書いたことはない。仕事机は手紙を書くために取っておく。主に仕事は午前中にするので仕事場としてベッドを選んだ。
ベッドの上で、想像した地図のうえにひとつの道筋を描くことが仕事の大きな部分となっている。登場人物たちの移動も重要であり、背景が架空の時には、その地形図も作っておく必要がある。
放浪(旅)について
登場人物は常に放浪(旅)をしている。自分自身もよく放浪した。しかし、本に役立てるために旅行したことは一度もない。また、自分は、よく知っている土地についてしか書けない。
文章の《翻訳》について
自分は、文学的な職人である。しかし、画家や彫刻家、音楽家と違い小説家が使えるのは言語だけである。
結局私は文学的職人芸の形が存在することを発見しました。《翻訳》です。ある言語で書かれたテクストを他の言語に置き換えるように、人々の感情や冒険の《翻訳》を試みてはなぜいけないんだろう、と私は考えたのです。その二つにあって重要なことはひとつしかありません。正確さです。(抜粋)
そのため、既知の事実や条件をそっくりそのまま、立ち現れるように表現する必要がある。
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