「機能型の自己注目に変える」(その1)
坂本真士『ネガティブ・マインド』より

Reading Journal 2nd

『ネガティブ・マインド : なぜ「うつ」になる、どう予防する』 坂本真士 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

第4章 ネガティブ・マインドの調節
4.4 機能型の自己注目に変える(前半)

今日の部分は4.4節である。ここがこの本の結論になる部分である。機能不全的な自己注目を続けていると、うつになる可能性がある。その自己注目をどのようにして機能的な自己注目に変えるか?ということを解説している。


まず、本節では自己に注目する際の「視点」と「評価の仕方」について解説するとしている。人には考え方の特徴があり、その特徴を変えなければならないため、努力と時間がかかる説明している。
まず、「推論の誤り」に関するテストが示される。そして、落ち込みやすい人は、何らかの推論をする際に、誤った推論をしやすいと説明している。誤った推論とは、以下のような事である。

①.恣意的推論 – 証拠もないのにネガティブな結論を引き出してしまうこと。
②.選択的注目 – 最も明らかなものには目もくれず、些細なネガティブなことだけを重視してしまうこと。
③.過度の一般化 – わずかな経験から、広範囲のことを恣意的に結論してしまうこと。
④.拡大解釈と過小評価 – ものごとの重要性や意義を誤ってしまうこと。
⑤.個人化 – 自分に関係ないネガティブな出来事を、自分に関係づけて考えてしまうこと。
⑥.完全主義的・二分法的思考 – ものごと白黒つけないと気がすまない事。また、ものごとは完璧か悲惨かのどちらかしかないように極端に考えてしまうこと。

ここで、「推論の誤り」や「非機能的態度」などは、長い時間をかけて形成されているため簡単には変わらないが、学習されたものであるので普段から意識的に学習することで改善することができる。

ここよりうつや不安に関する認知を変えることに話が移る。
まず、人はある出来事により、ある感情を経験することがある。しかし、通常「出来事」と「感情」の間には、「認知」が介在している。そして、その「出来事」をどのように「認知」するかによって、後に経験する「感情」は変わってくる。ここで、大切なことは深く落ち込んでいる時は、出来事に対してネガティブな歪んだ考え方(推論の誤り)をすることが多いということである。そして、人は自分が主体として思考しているため、自分が推論の誤りをしているか気づくことはむずかしい。

身体の病気でもケガでも、どこがおかしいのか知らなければ治しようがない。機能型の自己注目への第一歩、それは、落ち込んだ状態で自分がどのような考え方をしているのかを知ることである。認知の仕方について認知するので、これを「メタ認知」と呼ぶ。(抜粋)
このメタ認知によって自分のネガティブな認知に気がついたなら、次にやることは、ネガティブに偏った考えに反する別の見方を探して、「考えのバランス」をとる事である。(抜粋)

次に著者はどのようにしてポジティブな反論をするかについて解説している。(後半へ)

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