外発的動機づけと内発的動機づけ
鹿毛雅治『モチベーションの心理学』より

Reading Journal 2nd

『モチベーションの心理学 : 「やる気」と「意欲」のメカニズム』 鹿毛雅治 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

第2章 モチベーション理論の展開(その2)
   2 外発的動機づけと内発的動機づけ

モチベーション研究による大きな功績のひとつは、やる気に種類があることを明らかにしたことだろう。とりわけ、外発的動機づけと内発的動機づけの区別は、最も有名で理解しやすく、しかも典型的なやる気の分類であろう。(抜粋)

まず、著者はこのように語り始める、今日のところは、この外発的動機づけと内発的動機づけである。


まず、外発的動機づけとは、「報酬を得る」あるいは、「罰を避ける」ための手段として生じるモチベーションである。これは20世紀半ばまでのモチベーション理論で支配的な考え方であった。(モチベーション2.0に該当)
そして、内発的動機づけとは、その行為自体が行為の目的である場合、すなわち自己目的的なモチベーションである。(モチベーション3.0に該当)

外発的動機づけでは、生理的欲求と快楽原則が重視される。その意味でモチベーション1.0の発展形である。その代表的な理論は動因低減説である。

動因低減説では、動因を「不快な緊張状態」と再定義し、行動はその動因を低減させ、生理的にバランスが保たれる状態を回復するために生じると考える。そして、動因が解決されバランスが回復すると生理的満足感(快)が体験されるとする。これは快楽原則を前提としている。
これより「賞罰によって行動が生じる」という外発的動機づけの原理が導き出される。

ここで、「賞」は正の誘意性、「罰」は負の誘意性を持つ誘因であり、この動因低減メカニズムにより「賞」へは接近行動をし、「罰」には回避行動がとられる。

20世紀中盤にハローの実験により外発的動機づけでは説明できない、自己目的的なモチベーションが指摘された。このモチベーションを、内発的動機づけと言う。例えば「好奇心」は、代表的な内発的動機づけである。
内発的動機づけ理論の基礎は、ホワイトが提唱したコンピテンス(=「生命体が生まれながらに持っている、環境と効果的に相互作用する能力」、「学習が累積した結果としての能力全体」)である。

赤ちゃんがあちこちうろうろして、ものを手で触ったり動かしたりする姿や、幼児が「これなに?」とか「何でそうなるの?」と大人に問いかける姿はまさに典型的なコンピテンスのあらわれだろう。周囲の環境と関わりあいながら、何かがわかったり、できるようになったりするようになるモチベーションは、確かに賞罰とは無縁で、外発的動機づけだけでは説明がつかない。しかも、このような現象が子どもだけのものではないことも自明だろう。(抜粋)

ここでの、外発的動機づけと内発的動機づけは、この前読んだ「無気力の心理学」での基礎になっているように思う。
そして、外発的動機づけでは、真の達成感は得られず、内発的動機づけによる、熟達にのみ真の達成感が得られる?と言ったような内容だったと思った。(つくジー)

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