『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』 北川前肇 著、NHK出版 (NHKこころの時代)、2023年
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
はじめに
松尾剛次の『日蓮』を読み終えた。なかなか面白い本であった。が、それはそれとして、『日蓮』の冒頭は、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩で始まっている。そして著者、松尾は次のように言っている。
『日蓮』と題する本書を「雨ニモマケズ」の詩の引用から始めたのは、他でもない。この詩が、健治の日蓮信仰に基づく作品だからである。(抜粋)
「へぇ~、そうなんだね」と思ったらが、そう言えば撮りためてあったテレビの録画の中に、NHKこころの時代 宗教・人生 『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』というのがあったと思いだした。ようするに、現在的に「ピンポン!」な本である。早速、テキストを取り寄せてみた。
さて、問題は読んでから観るか?観てから読むかですね♪
さて今日のところは「はじめに」である。まず今年(2023年)が宮沢賢治の没後九十年であるということを紹介している。著者は小学校を卒業後仏門に入ってから、鳩摩羅什の漢訳した「妙法蓮華経」を読誦し題目を唱えるという生活をしながら、今日にいたるまで健治の作品に触れ健治の生き方を問い続けてきたとしている。
著者は、健治が死に臨み『国訳妙法蓮華経』一千部の出版を遺言したのは、健治は法華経によって真の生き方の目覚め、生涯をまっとうしたから、としている。
そして本書の目的を、
このたび健治を語る機会が与えられ、私は法華経から健治の作品、生き方を訪ねることにしました。(抜粋)
と書いている。
関連図書:『日蓮 「闘う仏教者」の実像』、松尾剛次 著、中央公論新社(中公新書)、2023年
目次 はじめに [第1回] 第1回 「法華経」との出会い [第2回][第3回] 第2回 「春」と「修羅」のはざまで [第4回][第5回] 第3回 「ほんたうのたべもの」としての童話 [第6回][第7回][第8回] 第4回 あまねく「いのち」を見つめて [第9回][第10回] 第5回 理想郷「イーハトーブ」の創造 [第11回][第12回] 第6回 「デクノボー」として生きる [第13回][第14回]
コメント