『プロカウンセラーの聞く技術』 東山紘久 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
11 質問には二種類ある
「主観的な判断が必要な質問」
質問には、二種類ある。
- 「客観的な質問」・・・誰が答えても同じである。
- 「主観的な判断が必要な質問」・・・・本来なら答えられない質問
この「主観的な判断が必要な質問」に答えても良いが、それはあなたがそう思っただけのことである。それを意識している必要がある。
これを意識しているかどうかは、もっとこみいった状況の質問になったときに必要になる。(抜粋)
本来は答えられない。客観的な質問と聞かれた本人が考えないとわからない(主観的な判断が必要)質問がある。客観的な質問には、答えられるが、主観的な判断が必要な質問には、本来なら答えられない。
答えられない質問(答えが幾つもある質問)
現代人は、このように答えがない質問、答えが複数ある質問の場合でも、答えを一つに絞り、すぐに欲しがる傾向がある。人生の問いに対する正答は幾つもある。答えを出しても、その答えに相手が納得するかは別の話である。
人生の疑問に対する答えは主観的なもので、納得した答えがその人なりの正答です。一般的な答えは、第三者の人びとを納得させはしますが、それは自分にとってなんの答えにもなっていないのがほとんどです。(抜粋)
聞き上手になるためには、相手の質問を正答が単一な質問と、難しい質問、正答がわからない質問に分け難しい正答のない質問には「むずかしですね」と答える事である。その質問の正答は質問者が自分の中から出していくものだからである。
答えられない質問、正答がいくつもある質問こそ、大切な質問です。答えられない質問には答えないで相手の心を聞くことが、聞き上手のコツの一つなのです。(抜粋)
12 情報以外の助言は無効
主観性の無い助言
前節“11質問には二種類ある”で 質問には、答えられる質問と答えられない質問があることが説明された。そして、答えられる質問、つまり主観性が排除されている情報についての助言は効果がある。そしてそれも具体的な内容のものの方が、有効である。
「警告」の助言と「知恵」の助言
助言や警告、格言のようなものは、必ずと言っていいほど反対の意味のものがある。これらの反対の意味を持つ助言には、それぞれ「警告」と「知恵」の意味を持っていることが多い。そして、「知恵」の意味を持っている助言の方が有効である。
たとえば、相手が焦っている状況の助言として、
- 「警告」の助言・・・・・「あせればあせるいだけ深みにはまる」「人生は長い。急いではことをしそんじる」など
- 「知恵」の助言・・・・「山より大きい獅子はでない」など
があるが、この場合は「警告」の助言は相手をさらに焦らすだけだが、「知恵」の助言は安心を与える知恵となっている。
しかし、それでも助言が意味を持つことは少ない。
助言が意味を持つとき
助言は相手の感情に訴えなければなりません。そのためには相手のことが個別にわかっていなければなりません。相手の心がわかったときに、警告的な助言でなくて安心感を与えるような助言、人間の知恵のひとことが言えます。(抜粋)
この時、話し手が聞き手の人格を尊重していることが必要である。
聞き手の人格が高いと、語ることば(助言)の背後から人格が無言のうちに影響して、相手に知恵と洞察をもたらすことがある。その場合は、助言として最高の意味を持つものになる。しかし、そのような人格の高い人にはめったに出会うことはない。
そのため、カウンセラーやあなた自身は、じっくり相手の話を聞き、人格と乖離した助言は避け、話し手が自分自身で自分の人生の知恵を見いだすことを促進するしかない。そのためにも、聞き手は話し手より偉くはないことを自覚しているべきである。
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