「均 衡(1)」
辰濃和男『文章の書き方』より

Reading Journal 2nd

『文章の書き方』辰濃 和男著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

<平均遊具品>の巻 — 均 衡(1) 

この節と次節では、文章の均衡について解説している。
著者は、気功の均衡した姿勢を例にとりこう言っている。

鍛錬をしながら、自分の後ろ姿を見るのは難しいとつくづく思います。文章の場合も同じです。文章の後ろ姿を見るのは難しい。
自分の文章の後ろ姿を見ることの上手な人の文章には、落ち着きがあります。(抜粋)

均衡のとれた文章を書くには、自分の文章の後ろ姿を見ながら書く必要がある。また、読者の視点に立つこと、すなわち「離見の見」(前節 : 参照)も役立つ。

さらに、文章が感傷過多になり“センタリズム“に陥りそうになった時は、「ナンチャッテ」とつぶやき、その湿った湿気を取り除くのが大切であると言っている。そしてそれは、イギリスのユーモアに通じるものである。

英文学者の福原麟太郎がイギリス人のユーモアについて書いています。
「イギリス人のヒウマーというのは、もののおかしさ、ということである。なにかにこだわって自分を眺めて、滑稽を感じることである。そうして、さらりと、そのこだわりを無くする」(抜粋)

引用部:福原麟太郎 (著)「福原麟太郎随想全集⑤」・「イギリス気質」福武書店  1982

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