「修飾の仕方」(その1)
岩渕悦太郎『悪文 伝わる文章の作法』より

Reading Journal 2nd

『悪文 伝わる文章の作法』岩渕 悦太郎 編著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

修飾の仕方(その1) 
助詞のくりかえしと省きすぎ、並列の一方を忘れた文、修飾語のかかり方が乱れた文、どこにかかるのか、わからない修飾語、離れすぎた修飾語

今日のところは、「修飾」が関わる悪文についてである。ここで、「並立」は修飾ではないが、同じような悪文を作るのでここでまとめて扱うとしている。


助詞のくりかえしと省きすぎ

名詞が動詞を修飾する場合は、名詞と動詞の関係は助詞で表される。ここでは、助詞の意味が曖昧になっている文章を扱っている。

並列の一方を忘れた文

ここでは、並列の文章で書いているうちに一方を忘れてしまった例を扱っている。また、前節の「並べ方がまずい」でもふれられた、「・・・たり」の下に「・・・たり」として並立させることが再度、述べられている。

修飾語のかかり方が乱れた文

ここでは、文が長くなっていたり、急いで書いていたりした時に、上に書いたことを忘れてしたとうまくつながらないような文章を扱う。

ここで、「予告の副詞」について書かれている。

日本語では、肯定、否定、推量など、話し手、書き手の態度を表わす言葉は、文末におかれる。このため、終わりまで読んではじめて「・・・・ではない」、「・・・・・かもしれない」といった表現にぶつかり、どんでん返しをくったという感じを受けることがある。これを防ぐためには「予告の副詞」を活用すべきだ、と松坂忠則さんはいう。「予告の副詞」というのは、「おそらく」、「きっと」、「決して」などで、これらを使えば、初めから推量や否定が来ることが予告される。(抜粋)

ところが、このような呼応も、文脈の乱れによって破られ、悪文となる。

どこにかかるのか、わからない修飾語

ここでは、修飾語の順番の話が出てくる。奥田靖雄の『日本語の正しい書き方』によると、修飾語について次の三つの規定を守ると良い文になるとしている。

  • 長い修飾語つけないこと
  • 修飾されたとのすぐまえに修飾語をおくこと
  • 長い修飾語とみじかい修飾語があるときには、短い修飾語のほうを修飾される語のちかくにおくこと

関連図書:奥田靖雄(著)『正しい日本語の書き方』春秋社刊、(現代の生活技術新書)、1957年

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