『戦艦大和ノ最期』吉田満 著
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2005-08-17)
死生ノ寸刻、最終処置、脱出、巨鯨沈ム、自爆
「作戦中止、人員救出ノ上帰投」の決定のあと、士官達は、イロイロは物の処理に急ぐ。また、責任のあるもの達は自らをロープで縛り自決の準備をする。
見レバ、航海長(中佐、操艦航行ノ責任者)、掌航海長(中尉、ソノ輔佐)向キアッテ「ロープ」ヲ手繰リツツアリ
・・・・・中略・・・・・・
コレヲ見テ、ワレモ自然ノ動作ニ腰ヲマサグル カネテ用意ノ「ロープ」アリ 特攻作戦ノ終末ノカクアラントハ、充分予期セルトコロナリ
「何ヲスルカ、若イ者ハ泳ゲ」森下参謀長怒声、鉄拳ヲマジエテス凄マジキ権幕ナリ 端ヨリ殴リツケラル
意ヲ翻シ「ロープ」ヲ捨テテヤムナク命ニ従ウモ、憤懣消エヤラズ
歯ヲ嚙ミクダク思イニアタリヲ睨ムーーー今ニシテ脱出セントハ、何ノタメノ自決用「ロープ」ゾヤ(抜粋)
吉田は脱出する。しかし、脱出したところで助かるわけでもない。
巨艦が沈む時には、大きな渦ができる。
事前ニ遠ク泳ギ得テ、コノ渦流ヨリ免レタル者皆無
カカル大鑑ニテハ、半径三百米ノ圏内ハ危険区域ナリトイウ
救出決定遅キニ過ギ、コノ距離ヲ泳ギ抜ク余裕ヲ奪ウ
総員戦死、コレ運命(サダメ)ナリシナリ(抜粋)
沈みゆく大和は搭載している砲弾が誘爆して、大きな火柱となる。
「大和轟沈 一四二三(二時二十三分)」 敵味方、同時ニ飛電ヲ発ス
間断ナキ対空戦闘ニ時間 ココニ終止(抜粋)
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