「熟達と生きがい」(その1)
波多野誼余夫 / 稲垣佳世子『無気力の心理学 改版』より

Reading Journal 2nd

『無気力の心理学 改版 : やりがいの条件』 波多野誼余夫/稲垣佳世子 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

第6章 熟達と生きがい(前半)

効力感を発達させるには、前章までに考察されたこと、つまり「自律性」第4章)と「他者との暖かいやりとり」第5章)に加え、さらに二つの条件が必要である。本章はその条件について書かれている。


効力感は、自分の努力が環境や自分自身に好ましい変化を起こすことができるという見通しや自信が基礎となっているので、長期間の努力により目標を達成した時には、より大きくなると考えられる。しかし、実際には例えば大学受験のような大きな目標を達成したあと、かえって「無気力」になってしまう人も多い。この原因について著者は次の2つの可能性をあげている。

  • その成功が、他人の判断で自己向上に対する内的な充実感がないこと
  • 自己向上の実感はあるが、それは本人にとって価値のある成長や熟達でないこと
つまり自分にとって本当に「好ましい」変化をなしとげた、とはみなされないので、真の効力感が生れないのだろう。(抜粋)

このように、効力感を発達させるには、これまで考察したことに加えて、

  • 本人が自己向上を実感しうること
  • 自己向上が本人にとって真に「好ましい」こと

の二つの条件が必要である。


効力感を発達させる条件は、「自律性」「他者との暖かいやりとり」に上の二つを加えた4つってことだね! (つくジー)


では、本人が自己向上を実感するのは、どのようにしたら可能であるか?この答えは、直接の答えは今のところないと著者は、いっている。

しかし、熟達、つまりエキスパートになっていく過程についての最近の諸研究から、間接的な答えをひきだすことはできそうだ。(抜粋)

後半は、この熟達にいたる過程について。

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