エルンスト・H・ゴンブリッチ 『若い読者のための世界史』
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
エルンスト・ゴンブリッチの略歴と代表的著書
ここで、ゴンブリッチの略歴と代表的著作が紹介されている。ちなみに、フルネームは、「エルンスト・ハンス・ヨーゼフ・ゴンブリッチ」である。
- 1909年、ウィーンに生まれる
- ウィーンのテレジア・アカデミー・ギムナジウムを卒業
- 1928-1933年、ウィーン大学、博士論文を提出、芸術心理学に関心を寄せる
- 1936年、イギリスに渡りヴァルブルク文化学図書館に勤める
- 第二次世界大戦中、BBCの傍聴部でドイツ放送を傍受し、英語に翻訳する仕事に従事
- 終戦後、ロンドン大学に併合されたヴァルブルク研究所に戻る
- 1976年、定年まで17年間をヴァルブルク研究所に身を置く。オックスフォード、ケンブリッジの客員教授もつとめる
- 1972年、騎士の身分となる
- 1975年、オーストリア連邦大統領より、第一等十字勲章を受ける
- 1997年、プラエミウム・エラスミアヌム
- 1977年、都市シュトゥットガルトのへゲル賞を受賞
- 2001年、92歳で歿する
著書に関しては、大学卒業後、まだウィーンにいる時に、本書『若い読者のための世界史』を執筆する。そしてその成功により依頼された、美術史の著作『the Story of Art』(1950年)(日本語版『美術の歩み』)が大成功をおさめる。
その他、学術的な仕事も多数である。(学術書も邦訳されている本が多い)
訳者あとがき
最後に訳者中山典夫による[訳者あとがき]がある。最初の「昔、むかし」と最後の「五〇年後のあとがき」にも書いたが、この本を買った動機は、帯に抜き出してある訳者中山典夫の[訳者あとがき] の一文を読んだからである。
ここでは、つべこべ言わずに、その部分を引用して終えたいと思います。
この『歴史』を今日のあらゆる批判に耐えうるものとしているのは、著者による長い「五〇年後のあとがき」(三四四ページ以降)です。半世紀たって著者もまた、この書がたんに若者だけの読み物ではなかったことに気づきました。むはや、「きみ」と読者に話しかけることはありません。旧著の学術的不完全さを補い、あるいは、あえて自身のかつての見解も正しながら、自身歴史にほんろうされ故国を棄てざるをえなかった著者は、二五歳の青年の夢をむざんに打ち砕いたその後の五〇年を透徹した歴史家の目でふりかえっているのです。
それでもこの「悲しいあとがき」は、またもや、そしてこんどこそはと、「よりよい未来」への期待をこめて終えられています。(抜粋)
[完了] 全41回
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