クラウドファンディングをする美術館の苦境 — 美術館の新たな取り組み(その3)
ちいさな美術館の学芸員 『忙しい人のための美術館の歩き方』より

Reading Journal 2nd

『忙しい人のための美術館の歩き方』 ちいさな美術館の学芸員 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

第3章 美術館の新たな取り組み 3 クラウドファンディングをする美術館の苦境

今日のところは、「クラウドファンディングをする美術館の苦境」である。美術館の新たな取り組みとして、ここまで「SNSの利用」(“その1”)、「オンライン鑑賞と没入型展覧会」(“その2”)が取り扱われた。ここでは、「美術館のクラウドファンディング」が取り扱われる。その背景には美術館の苦境がある。それでは読み始めよう。

美術館・博物館のクラウドファンディング

美術館の新たな取り組みの中に、必要に迫られて行っているものもある。近年盛んな美術館・博物館のクラウドファンディングである。

2023年に国立科学館が運営資金難のためにクラウドファンディングを行った。このニュースは、驚きと共に伝わり、予定を大幅に超えた支援が集まった。現在の美術館・博物館の資金難は中規模以下の施設のみならず、大規模な施設にも及んでいる。これはコロナ禍で入館料が大幅に減少したことが、大きく影響している。

クラウドファンディングの難しさ

しかし、このクルドファンディングは、天災の影響など突発的な事態に見舞われた結果、行われるならば多くの人の理解が得られるかもしれない。しかし、恒常的な運営資金が足らないから、といってクラウドファンディングで穴埋めできるかといえばそれは無理な話である。

クラウドファンディングは、一般の人が美術館などの施設を直接応援する手段でありそれは良いことである。

でも、一番お応援は実際に足を運ぶことですし、美術館の方も何度来ても飽きないと思ってもらえるように努力や工夫をする必要があります。(抜粋)

ここで著者は、美術館・博物館が資金難になるということには、「文化にそこまでお金をかける必要なんて本当にある?」という考え方が潜在的にあるからではないかと言っている。「きちんと予算をつけなければ文化は存続できない」という考え方が主流ならばこのような事態になっていない。

文化に、わかりやすい利益などありません。だから、経済が停滞している時にその必要性を伝えるのは簡単ではありません。それでも美術館や博物館がやるべきは、つまり私たち学芸員がやるべきは、クラファンで一発解決という甘い夢を見るのではなく、地道に一人ずつファンを増やしていくことなのだろうな、と自戒を込めて思っています。(抜粋)

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