[読書日誌]『忙しい人のための美術館の歩き方』
ちいさな美術館の学芸員 著

Reading Journal 2nd

『忙しい人のための美術館の歩き方』ちいさな美術館の学芸員 著、筑摩書房(ちくま新書)、2025年
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

はじめに 美術館に行きたいけどなぜか行けないあなたへ

本屋さんでふと『忙しい人のための美術館の歩き方』という本を手に取ってみた。パラパラとめくって見ると・・・・・・あなたが最後に美術館に行ったのはいつですか?・…と問いかけられる。う~~ん、行ってないよね、昔はちょこちょこ行ったんだけどもねぇ。なので、まずはこの本を読んでみることにした。今日のところは「はじめに 美術館に行きたいけどなぜか行けないあなたへ」である。そうねぇ、なんでいけないのかねぇ~。それでは読み始めよう。

あなたが最後に美術館に行ったのはいつですか?

本書は、著者の「働き盛りの人が全然美術館に姿をあらわさない」という疑問から始まる。その理由を「働いている人は忙しいから」で片づけて良いかという問題である。

著者は、その理由は「何となく行けない」という理由であると推察している。

本書はその「何となく行けない」の理由を掘り下げ、その解決法を示した一冊です。(抜粋)

本書のもとはブログ形式のプラットフォームnoteでの記事である。著者名である「小さな美術館の学芸員」という名もnoteでの名前である。

詳しくは、著者のnoteの記事:https://note.com/gakugeiinを参照のこと。

本書の構成

最初にいっておきます。本書の肝は最終章の第5章です。(抜粋)

ここでは、各章の内容について簡単な紹介がある。

  • 第1章「タイパの真逆にある美術館」:時間があってもなかなか美術館に行けない理由について
  • 第2章「美術鑑賞の変遷」:日本での美術鑑賞の歴史について
  • 第3章「美術館の新たな取り組み」:最新の美術館事情について
  • 第4章「SNS時代の美術館」:美術館を楽しむための具体的な方法について
  • 第5章「結局、美術館に行く意味って何?」せわしなく生きている人たちにこそ美術館が必要な理由について

目次

はじめに 美術館に行きたいけどなぜか行けないあなたへ [第1回]

第1章 タイパの真逆にある美術館
1 「時間はあるのに行けない」はなぜ
あなたが美術館に行けない理由は本当に時間が無いから?/余暇時間は増加傾向なのに/時間があっても美術館に行かない・行けない/二極化する来館者/子育て世代と美術館のニーズは一致している/「透明化」してしまった現役世代
2 「美術=ビジネスマンに必須の教養」ブーム
「美術は役に立つ」系書籍の流行/ロジカル・シンキングの次のアート・シンキング/「すぐ分かる」系書籍で埋まる書店棚
3 コスパ・タイパの呪縛
何もしていない時間は居心地が悪い/「可処分時間」が追い立てる/タイパの真逆にある美術館/「役に立つ・立たない」の天秤/似て非なる映画鑑賞と美術鑑賞/自発的な行動、してますか?
4 余裕のある時代は美術、余裕のない時代は技術
美術が技術だった幕末、明治/一般庶民まで美術を楽しむ余裕があった江戸時代/現代日本はどちらのフェーズか
5 普段から美術館に行く人はどこが違う?
学芸員は案外動機が分かっていない

第2章 美術鑑賞の変遷
1 最近10年でヒットした展覧会を振り返る
10年間のヒット展覧会ランキング/コロナ禍ビフォーアフター/ヒット展覧会の共通項を分析してみよう/レアなものはやっぱり見たい!―「正倉院展」/消えない海外への憧れ―「オルセー」「ルーヴル」「モネ」……/定番コンテンツという王道の安定感―印象派、琳派、国宝……/大ヒットしない展覧会にも意味がある?
2 展覧会の歴史 ヨーロッパから日本へ
特権階級にのみ許されていた芸術鑑賞/展覧会の誕生はアーティストの誕生/日本初の美術館と展覧会/日本に根付いていく展覧会制度
3 日本の展覧会の黄金時代
高度経済成長期の3大ヒット展/80年代からの「美術の大衆化・日常化」/マスメディア主導のブロックバスター展/デパート展、華やかなりし頃

第3章 美術館の新たな取り組み
1 SNSによって変わる美術館の常識
SNSを有効活用した展覧会の広報/SNSも一発逆転で集客できる魔法のツールではない/シェアを前提とした写真撮影の普及/展示作品の著作権をいかに守るか/著作権法もマイナーチェンジ/撮影許可がはらむ危険性
2 美術館のデジタルシフト
オンライン鑑賞の功罪/鑑賞を一つの体験として考える/没入型展覧会の増加
3 クラウドファンディングをする美術館の苦境
相次ぐ美術館・博物館のクラウドファンディング/クラファンで全て解決、とはいかないけれど
4 四苦八苦のインバウンド対応
文化庁が推し進める美術の観光資源化/どこまで対応する? 美術館の多言語化

第4章 SNS時代の美術館 鑑賞する側が主役になる
1 基本的な鑑賞の心得
企画展とコレクション展の違い/展覧会の探し方―スマホ、雑誌、チラシ/事前準備は必要?/必携の持ち物、あると便利なもの/展覧会は一人で行く? 誰かと行く?/美術鑑賞を最大限楽しむ秘訣
2 主体的な鑑賞をするための秘訣はアウトプット
アウトプットはあなたの体験を経験に変える/発信することで奇跡が起きるかも/どのプラットフォームを使う? どうせならバズりたい!
3 鑑賞メモの力を今こそ伝えたい
メモは最強の鑑賞補助ツール/鑑賞メモはかっこつけず何でも書くべし/あなたもメモ帳沼にハマりませんか?
4 「美術を語れる人」になるためには
学芸員が美術を語れる理由/イメージと言葉のストックを積み上げる/美術を語るための実践ワーク

第5章 結局、美術館に行く意味って何?
1 現代病の処方箋としての美術館
全部に意味がなきゃダメなの?/不要不急の筆頭とされた美術館だけれども/タイパの呪縛からの解放/時間は伸び縮みする
2 美術鑑賞とマインドフルネス
あなたの脳、キャッシュが溜まっていませんか?/忙しい毎日に余白を作る/心を止め、心を観る/美術館を出た後、あなたは世界が違って見える
3 フォースプレイスとしての美術館
人それぞれのサードプレイス/美術館はサードプレイスになり得るか/フォースプレイスとしての美術館という可能性
おわりに 今度の週末、美術館に行こうと決めたあなたへ
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