「あとがき ‐ 達人に学ぶ英語教育と学習」
斎藤兆史『英語達人列伝 II』より

Reading Journal 2nd

『英語達人列伝 II』 斎藤兆史 著 
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

あとがき ‐ 達人に学ぶ英語教育と学習

本編が終わって最後にわりと長文の「あとがき」が書かれている。
最初に続編を書くことの大変さのような事が書かれていて、その後に達人たちの英語学習法について触れられている。

彼らに共通する当たり前の学習法とはどんなものか。それは、すでにご覧いただいたとおり、文学作品を中心とした英書をたくさん読む、辞書を引く、音読・筆写する、目についた英語表現を書きためる、作文をする、ことあるごとに英語を使う、という多彩ながらも地道なものだ。(抜粋)

また、最近のカタカナ英語について「チャレンジ」と「フォトジェニック」という具遺体的な例を示し、こう述べて警告している。

少しばかり格好がいいからといって日本語のなかに持ち込まれたカタカナ英語は、日本語でもない、英語の文脈に戻しても使えない、そんなおかしい語彙として日本語のなかに増殖しつづけている。この状況を早く何とかしないと、日本語の生態系が崩れるばかりか、日本人の英語学習まで妨げられる。(抜粋)

この問題については、嶋田珠巳ほか編『言語接触—英語化する日本語から考える「言語とはなにか」』、東京大学出版会、2019年、と鳥飼玖美子との共著、『迷える英語好きたちへ』(集英社インターナショナル新書、2020年、で論じているとの事である。

日本での英語教育・学習法については、斎藤の中等学校の校長を兼務した経験も踏まえ、学校で「使える英語」まで学習するのは現実的でないとし、基礎固めを目的にすることを確認したいとしている。訳読などの授業も再度見直されても良い時期ではなかともいっている。
個人の英語学習については、細かくは斎藤の『英語達人塾』に書いてあるとしたうえで、

基本は単純である。達人たちの学習法を真似すればよい。音読、素読、文法解析、辞書の多用、暗唱、多読、暗記、作文、その他、考えうるかぎり質の良い英語に触れ、それを真似てして使う練習をする。それを毎日行う。それだけである。(抜粋)

関連図書:嶋田珠巳ほか編『言語接触:英語化する日本語から考える「言語とはなにか」』、東京大学出版会、2019年
    :鳥飼玖美子、斎藤兆史(著)『迷える英語好きたちへ』集英社(インターナショナル新書)、2020年

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