Reading Journal 2nd

キリスト教、儒教などの諸思想との交流 — 見えざる世界(その2)
末木 文美士 『日本仏教再入門』より

日本にキリスト教が入ってくると、一神教の教えは理解が困難だったため、仏教側と互いに批判し合う。しかし、有効な議論とならなかった。近世になると合理的な儒教と仏教は論争になる。しかし、儒教も鬼神論があり、霊魂の存在を認めざるを得なかった。:『日本仏教再入門』より
Reading Journal 2nd

兵士の体格・体力の低下 — 身体から見た戦争(その1)
吉田 裕 『日本軍兵士』より

日中戦争やアジア・太平洋戦争では、年々多数の兵力を必要とした。その兵士を集めるために、軍は徴兵検査の基準を大幅に引き下げざるを得なくなる。そして、アジア・太平洋戦争が泥沼化するに従い、体格や体力が劣る兵士、病弱な兵士が軍隊の中で増大した。:『日本軍兵士』より
Reading Journal 2nd

友人の説得(前半)
浅野 順一 『ヨブ記 その今日への意義』より

ヨブの嘆きを聞き友人のエリパズがヨブを励まそうと説得する。エリパズは伝統的な賞罰応報的な立場から、信仰に厚かったヨブがここにおいてどうして惑うのかという。この言葉に人生の矛盾・不条理と戦っているヨブは容易に同意できない。:『ヨブ記 その今日への意義』より
Reading Journal 1st

[再掲載]『漱石』 母に愛されなかった子
三浦 雅士 著

(初出:2008-10-16)の再掲載:『漱石』 母に愛されなかった子 三浦 雅士 より
Reading Journal 2nd

[レビュー] 『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』
谷崎 潤一郎 著

『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』は、谷崎潤一郎の戦前の代表作を集めた「現代日本文学館」シリーズの一冊である。ここでは谷崎の初期の耽美な世界が描かれている。また、井上靖による谷崎潤一郎の評伝と作品解説がある。:『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』より
Reading Journal 2nd

顕と冥の世界 — 見えざる世界(その1)
末木 文美士 『日本仏教再入門』より

目に見える世界の裏にあるものとの関係を論じるときに使われる述語に「顕」と「冥」がある。慈円は『愚管抄』においてこの、冥顕を使い日本の歴史を貫く「道理」を追求した。このような思想はその後、変化をしながら発展していく。:『日本仏教再入門』より
Reading Journal 2nd

自殺と戦場での「処置」 — 死にゆく兵士たち(その3)
吉田 裕 『日本軍兵士』より

日本軍兵士の死のあり方として、戦死、戦病死以外にも多様な死があった。その中に私的制裁や捕虜となることが禁じられたための自殺、動けなくなった疾病兵を殺害する措置、食料を得るための強奪・襲撃、さらには人肉食のための殺害などもあった。:『日本軍兵士』より
Reading Journal 2nd

ヨブの嘆き
浅野 順一 『ヨブ記 その今日への意義』より

友人の前でヨブの独白が始まる。ヨブはどうして悲惨な不幸に合わなければならなかったか、自分の誕生に遡って考えている。この大きな苦悩に対して、光ではなく暗黒を求めている。ここでは、人間の苦悩という普遍的な問題が問われている。:『ヨブ記 その今日への意義』より
Reading Journal 2nd

神道の形成と仏教 — 神仏の関係(その3)
末木 文美士 『日本仏教再入門』より

古代における神道は、宗教と呼べるような体系を持たなかった。しかし、日本の神道はアジアの他の地域と違い、仏教に取り込まれず一定独自性を持った。そして、その後伊勢神道などの発達や天皇論との結びつきなどあり独自に発達する。:『日本仏教再入門』より
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戦局悪化のなかの海没死と特攻 — 死にゆく兵士たち(その2)
吉田 裕 『日本軍兵士』より

絶望的抗戦期に特有の死のありようとして「海没死」と「特攻」がある。「海没死」は、艦船の沈没に伴う死者で、35万人を数えた。特攻は、航空機ごと敵戦艦に体当たりすることである。しかし飛行機の翼の揚力により通常の攻撃より破壊力は弱かった。:『日本軍兵士』より