「整える」
辰濃和男『文章の書き方』より

Reading Journal 2nd

『文章の書き方』辰濃 和男著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

<整正新選流>の巻 — 整える 

この節から、<整正新選流>の巻に入る。<整正新選流>の巻では、具体的な文章技術が書かれている。
まずは、整えるとして具体的な6つの事が書かれている。

①文章の長さ
書き出しから句点(。)までがあまりに長いと、読むずらくなる。文章の長さには個人差があるが、著者は、平明な文章を心がける場合は、短い方がよいとし、平均三十字から五十字を目安にしている。百字以上あると思い感じになる。また、三十から五十字は平均で、文字数に凸凹があった方がリズムが出る。

②漢字の割合
漢字が多すぎると固い感じがする。著者は、漢字の割合が五割を超えると固い感じがするとして、三割を目安にしている。

③カタカナ言葉について
著者は最近のカタカナ表示には苦言を呈している。

古い事ばかりいってはいられませんよ、と若い友人はいいます。私たちの言語環境がもうどうしようもないほどカタカナ言葉に浸食されていることも知っています。それはわかっているのですが、だからこそ、あえて異をとなえておきたい。外来語の使い過ぎは日本語の健康のためによくありません、と。(抜粋)

④体言止め

著者は体言止めは好みの問題としながら、これの乱用を戒めている。
新聞記事などで体言止めをすると字数が短くなるという意見もあるが、意外に字数は減らないとのことである。体言止めを使うことで独特の味を出している文章もあるが、乱用はいかがなものかと言っている。

⑤土地の言葉
土地の言葉(方言)については、その味を評価し、ここでは多くの例を使って説明している。

選挙の時に候補者がテレビで政見放送をします。あの無味乾燥なしゃべり方とくらべると、方言は、抑揚ゆたかで、ことばに表情があります。(抜粋)

⑥カギカッコ
著者は、カギカッコのなかの言葉も大切といっている。

「    」のなかはなるべく、しゃべり言葉のおもしろさを出した方がいい。土地の言葉も、それに近い形で書いた方がほうが現実感があります。(抜粋)

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