エルンスト・H・ゴンブリッチ 『若い読者のための世界史』
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
三 ナイル川のほとり
「ナイル川のほとり」という表題でわかるように、今日のところは、ナイル川に興ったエジプトの古代文明についてである。
冒頭で著者は、
ここからは、きみと約束したように、「いつ」でもって物語を始めることにしよう。(抜粋)
といっている。これは前章の先史時代は、「いつ」のことであったかを、ばくぜんとしかいえない「歴史以前」の時代としていることを受けている。
いまから五一〇〇年前(キリストの生まれる三一〇〇年前)にナイル川のほとりにエジプトではメネスという王が支配している、と語り始める。エジプトに文明が起こった理由として、ナイル川が年に二回大氾濫し、穀物の栽培に必要な水と肥沃な泥を残していくことを説明している。エジプトを支配したファラオという王は大きな宮殿に住みピラミッドを作った。それからエジプトの宗教、ミイラの話などをしている。
ここで、ピラミッドにある彫像や絵から当時の生活が分かるといって、わりと長く解説がされている。さらには、古代エジプトのヒエログリフという文字について丁寧に説明している。このあたりは、『美術の物語』の著者であるゴンブリッチらしいかな。
エジプト人は優れた能力を持っていたので彼らの王国は三〇〇〇年以上続いたとしている。そして、彼らはその伝統、古い儀式や習慣を長い間守ったといっている。この厳格な単調さは、たった2回しか破られなかった。
ほとんど三五〇〇年のあいだ人びとは、メネス王の時代と同じようにミイラとして葬られ、ヒエログリフで書き、変わらぬ神々を崇拝したのだ。猫は、あいかわらず聖なる動物として崇められた。もしきみがわたしに訊くならば、その点では古代エジプト人は少なくとも正しかったと私は答えるだろう。(抜粋)
最後のことばは、なんでしょうかね?ゴンブリッチも猫好きなんですね(つくジー)
関連図書:
エルンスト・H・ゴンブリッチ 著 『美術の物語』 河出書房新社、2019年
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