『ストレスの話 メカニズムと対処法』 福間 詳 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
第II部 ストレスにどう対処するか 第6章 自分の脳をいかにコントロールするか 三.ストレスへの備え
今日のところは第6章3節である、1節では、ストレスに対処するために「すべきこと」と「してはならないこと」、2節では、ストレス障害の心理療法として、デブリーフィングの解説がなされた。今日のところ3節はストレスの備えとしての心得を幾つかのトピックスに分けて書かれている。
体力と体調管理
ストレスによる症状は、精神的なものだけでなく、心身症のようにストレスが原因で身体に症状が出るものがある。
例えば胃潰瘍、高血圧、喘息、アトピー性皮膚炎、過敏性大腸炎、下痢、頭痛のほかさまざまな疾患が心身症として知られているのです。(抜粋)
ストレスはその人の人体の中で最も弱い部分を狙ってくる。そのためストレスに打ち勝つためには、自分の体のメンテナンスが肝心である。
食事
食事とストレスの関係で気をつける事は、
- 一日に三度規則的に食事をとること。これは一日の日内リズムの保持とも関連している。
- 食事は楽しんでゆっくりと食すこと。ゆっくりと食することでリラックス効果も得られる。
- ストレスに備えるための栄養素。ビタミンC、タンパク質(ストレスと代謝の関係から)、ビタミンE、βカロチン、(抗酸化作用)、ビタミンB群(抗ストレス作用)、カルシウム(脳細胞の安定化)などが注目されている。
アルコールによるストレス解消
アルコール類については賛否両論あるとしながら、著者は個人としては賛成であるとしている。その理由は、アルコールは、ごく少量では中枢神経に対して興奮作用があるが、ある程度の量(ほろ酔い程度)になると鎮静・抑制作用があるからとしている。また、アルコールにより、普段無口の人もアルコールによって抑制が外れて、コミュニケーション効果が期待できる。である。
ただし、それは「適量」ということが大切である。この適量について著者は「まぁいいや」と感じる量としていて、具体的には三五〇ミリリットルの缶ビール二~三缶、日本酒だと1.5~2合弱としている。
一方アルコールの弊害として戦場での強いストレスに対する現実逃避のアルコール乱用などがあり、現実逃避のための飲酒は、アルコール依存症になりやすいとしている。
サポート
メンタルヘルスを語る上でサポートの重要性は外せない項目である。このサポートは人からのサポートだけでなく、広く社会的(公的)サポート、組織や職場などの受け入れや理解、経済的サポート、体力・健康面の保持などもあり、多ければ多い方がよい。また、家族は最後まで自分の味方であることを忘れないことも重要である。
日本語能力
ストレス障害に陥ると明らかに日本語能力が低下する。我々は外から刺激を受け止め、その刺激の意味を判断する作業はすべて日本語でやっているため、作業効率が低下すると、どうしても視野が狭くなり適切な判断が難しくなる。そのため常に日本語の能力を落とさないようにすることは重要である。
笑い
笑いはじめでは、交感神経の作用が優位に働き血管が収縮するが、その後、副交感神経が活発となるため、リラックス効果がでてくる。健康な人は笑いを楽しむことができるが、ストレスが強くかかった状態では、その表情から笑顔が消える。そのため、精神科の外来では患者さんに笑みが見られるかどうかは、病状の回復を診察するうえでの重要ポイントとなる。笑いにはこのような効果があるがあるため普段から笑いを生活に取り入れる事は、ストレス対策となる。
コメント