[マガジン]「お金を増やす秘密の習慣」 為替編
PRESIDENT 2025.12.19

Reading Journal 2nd

PRESIDENT 2025.12.19
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

特集 「金を増やす秘密の習慣」 為替編

NISA編iDeCo編」に続き、今日のところは「為替編」です!ここでは、実務的なことよりも、日本の円安をもたらす経済的な実情について、それを受けての「投資は資産を増やす手段ではなく、インフレから資産を守る手段」という姿勢について説明している。さらにその投資は、長期・分散を原則とし、適切なリバランスをして、ポートフォリオを一定に保つのが長期的に安定であると説明している。この稿の筆者は、佐々木融さんです。

⑤ 為替編 1ドル150円はまだ序章! 円安時代にお金を減らさない3つのルール

Part 1 実質金利がマイナスである限り円の価値は下がり続ける

円の価格は、2022年頃から急激に下がり、構造的円安が定着している。この円安の最大の理由は、実質金利(名目金利からインフレ率を差し引いたもの)がマイナスになっているからである。そのため、円安を解消するには、名目金利をあげるか、インフレ率を下げるかしかないが、どちらも実際には難しい。

  • 名目金利を上げる:この場合は、政策金利を引き上げることになるが、政策金利を引き上げると、国債の利払い負担が増えるため、政府は日銀の金利上げに抵抗すると考えられる。また日銀も米国経済の不透明感が払しょくされないと利上げに踏み込めない。
  • インフレ率を下げる:この場合は、物価上昇を抑える必要があるが、その背景には人手不足がある。企業は雇用を進めるために賃上げを進めざるを得ない。また、現在の人手不足は、「人が足りない」のではなく「働く時間が少なくなっている」こと要因となっている。
結果として、当面は実質金利のマイナスは固定化されます。(抜粋)

先進国では、実質金利が大きくマイナスなのは日本だけである。それは、実質金利がマイナスになると通貨の信頼を保つために金利を引き上げるためであるが、日本はそれを行わない。

貨幣価値の毀損が止まらない新興国家通貨のような状態です。(抜粋)

Part 2 ドル円相場だけで為替の判断をしてはいけない

為替というと、ドル円相場を思い浮かべるが、実際の為替相場はもっと複雑である。円安はドルとの関係だけでなく主要通貨全体において進行している。

この円安は、前項の大幅なマイナス金利だけでなく、「資金の流れ」に関係がある。日本が海外に直接投資をするには、円を売って現地通貨を調達することになる。海外から日本に投資する場合はこの反対であるが、日本に入ってくる直接投資は先進国の中でも極端に少ない。結果として資金の流れが一方方向になり、円売り圧力が続く。トランプ関税のカードとして政府が約束した対米投資も、短期的にはドルを押し上げる。ただし、長期的に見ればアメリカも財政赤字やインフレの影響を受けて、ドルも弱含み可能性もある

かつては輸出超過の貿易黒字が円買い圧力になったが、経済構造が変わり、恒常的な貿易黒字はほとんどなくなっている。また、経済収支の黒字は、主に海外投資の利子であるが、これは、企業が海外で稼いだ利益を本国に戻さない限り為替市場で円を買う動きにならない。つまり

円を支える構造自体が、過去とは大きく変化しているのです。(抜粋)

このように円安は一時的な金利差の問題ではなく、経済構造や資金の流れ問題となり定着している。筆者は円の信頼を回復するためには次に4つの取り組みが必要であるとしている。

  1. 物価と賃金の動きに見合った利上げを適切に行う。
  2. イノベーションを促進し、競争力を得る。
  3. 雇用制度改革を進め、生産性をあげる。
  4. 海外からの投資を呼び込みやすい環境を整える。

日銀が利上げをするタイミングでは、円は一時的に買われるが、その他の局面では円安傾向が続くと予想される。円安は、実質金利がマイナス資金の流出の構造が変わらないぎり続くと考えられる。

Part 3 投資は資産を増やす手段ではなくインフレから資産を守る手段

円安がこのように構造的であるため、現在は「お金を持っているだけで、減ってしまう」時代になっている。そのため投資は「資産を増やす手段」ではなく、「資産を守るための仕組み」と捉える必要がある。

これまで、「投資」には、損をするかもしれない、「リスク」であるというイメージがあったが、いまは「投資をしないことが最大にリスク」となりつつある。

インフレに強い資産を持つことが、自分の暮らしや将来の生活水準を守ることにつながるのです。(抜粋)

そのためには、短期的な値動きに惑わされず、長期的に安定した購買力維持する視点に立つことが必要である。なっている。筆者はそのためには次の3つの原則があるとしている。

  1. 「減らさないことを重視する」 :投資を短期的に儲ける手段でなく、インフレで「目減りするのを防ぐ」手段と捉える。具体的には、インフレに強い株式、金、外貨建て資産(株式、証券、投資信託など)を一定割合で保有すること。
  2. 「対象」と「時間」を分散させる:「対象」を一つの資産や地域に偏るとその経済や市場に問題が起きた時、大きな損失を受けることになる。また、「時間」で分散させることも大切である。ある時間ごとに少しづ金額を積み立てることにより「高値づかみ」を防ぐことができ、平均的な価格で資産を形成できる。一年程度の時間をかけて分散して投資すれば、短期的な価格変動に惑わされることはない。
  3. 「自分の生活設計にあわせる」:若い人は長期的な視点でリスクを取ることもできるが、退職を控えた人などは安定を重視するのが現実的である。このように「年齢、家族構成、将来の支出予定など」によりリスクは異なる。生活の安全資金を確保し、その余裕資産を中長期的視点で運用することが大切である。もし生活資金まで投資に回してしまうと、相場が下がっていても売らざるを得ない状況となってしまう。
資産運用は「続けること」が大事です。長期的に見れば、分散と継続こそが最大のリスク回避策です。(抜粋)

Part 4 ポートフォリオは年1回リバランスする

この「3つの原則」を守っていても、運用を間違えると成果は損なわれる。現在は株高の局面であるが、ここで株を買いますことは、やってはいけないことになる。一度に大きな投資をせず、あくまでも対象と時間を分散して少しずつ投資することが大切である。

「気が付いたときには価値が上昇していた」という形が理想です。(抜粋)

一番理想なのは、自分の資産の中の株式や債券、外貨の余裕比率を決めておき、投資対象の値上がりによって決めた比率を超えたものを売却し、比率の下がったものに投資するという「リバランス」を行うことです。このリバランスを行うことで長期的には利益が出やすくなる。

筆者は暗号資産への投資を推奨していない。

その理由は単純で、実需がなく、価値を保障する発行体が存在しないからです。(抜粋)

暗号資産は、現実の経済の実態に即していないため、投機に近い存在となっている。

投資は、相場を「当てる」のではなく、「放置せず、過信せず、管理する」のが基本である。「守る資産」という変化を受けとめ、投資で儲けるのではなく資産を守ることに徹することが必要である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました