期待とモチベーション
鹿毛雅治『モチベーションの心理学』より

Reading Journal 2nd

『モチベーションの心理学 : 「やる気」と「意欲」のメカニズム』 鹿毛雅治 著 
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

第4章 成功と自尊心―自信説(その1)
   1 期待とモチベーション

今日より第4章に入る。この本では第3章から第6章で代表的な「ミニセオリー」の説明に当てている(ココココ参照)。第3章は「目標説」であったが、第4章は「自信説」である。


できそうならやる、できそうにないならやらない----これが本章で紹介する「期待」のモチベーション原理である。(抜粋)

「期待」とは、「成功に関する主観的な見込み」、あるいは「自信」のことである。この期待(自信)は、モチベーションの鍵となる概念である。第4章では自信とモチベーションの関係を説明する。

まず期待(自信)には、2つの水準が存在する。

  • 予期水準・・・・課題に直面している際に知覚される自信。この予期水準の期待には、該当課題にまつわる過去の成功や失敗の体験が反映される。
  • 信念水準・・・・当人の脳裏にしっかり刻み込まれている自信。特定の場や課題に直面していなくてもモチベーションに影響を及ぼす。

そして、信念水準の期待は、モチベーションの3水準の領域レベルのモチベーション要因に位置づけられる。

この信念水準の期待は、信念(知識の一種)であり、当人の経験によって学習されているため、実際に課題に直面していなくてもその場を予想するだけでモチベーションを左右する。また信念水準の期待は本人の解釈に基づいて形成される。つまり「原因帰属スタイル」(何を成功や失敗の原因と考えるかという個人差)に左右される。
そのため原因を自分以外のせいにしがちな「楽天主義者」は、失敗してもその後の期待をさほど低めないが、失敗を過度に自分が原因と一般化してしまう「悲観主義者」は、「自分は何もできない人間だ」と拡大解釈してしまい、特性レベルのモチベーション要因へと一般化してしまう。

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