普段から美術館に行く人はどこが違う? — タイパの真逆にある美術館(その5)
ちいさな美術館の学芸員 『忙しい人のための美術館の歩き方』より

Reading Journal 2nd

『忙しい人のための美術館の歩き方』 ちいさな美術館の学芸員 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

第1章 タイパの真逆にある美術館 5 普段から美術館に行く人はどこが違うか?

今日のところは「第1章 タイパと真逆の美術館」“その5”、「5 普段から美術館に行く人はどこが違うか」である。これまでの議論から、時間があってもなかなか美術館に足が向かないという現代日本の傾向、そして特に二十代後半から五十代の現役世代にその傾向が強い、ことが分かった。そしてその理由は、タイパ・コスパが悪いからである。

それをうけて、ここでは、普段から美術館に行く人の理由はなんであるかに注目している。それでは読み始めよう。


さて、ここまで、時間があってもなぜかなかなか美術館に足が向かない、という現代日本の傾向、特に二十代後半から五十代の現役世代にその傾向が強いことに着目してきました。(抜粋)

普段から美術館に行く人の動機

これまで、美術館に行かない理由について考察してきたが、ここでは、普段から美術館に行く人が“なぜ”行くのかについて考えている。

学芸員である著者は、その動機について無頓着であったと言っている。それは、自分が美術館に行くのは仕事であるからであり、学生時代の勉強の一環として行っていっていたからである。

そこで、著者は発信プラット―ホームであるnoteでアンケートを取る。すると、人それぞれに千差万別な動機であった。そのなかで著者が気になったのは

  • 「忙しいほど美術館に行きたくなる」:美術館に行くと自分を取り戻せる
  • 「感情をゆり動かすため」:日々淡々とルーティーンをこなしている日常では、味わえないような感情の揺さぶりを体験する
  • 「クリエイティブなものに触れ、インスピレーションを得て、間接的に自分の創作に生かす」:アーティストでない人でもアートとの接点を持ち、アート寄りの生活をする

というものである。

普段から美術館に行く人の共通点

普段から美術館に行く人の動機は、千差万別だが、明確な共通点もある。

それは、本章の前半で触れたような「美術がビジネスに役立つから」「これからは美術が必須の教養だから」という動機の人が一人もいないということです。(抜粋)

さらにもう一つの共通点として、

多くは十代や二十代前半の若い時期に何らかの衝撃的な鑑賞体験をしていることです。(抜粋)

ここで、著者は、そのような体験などしていないという読者に対して、これから後半で責任をもって美術館を楽しむ方法を教授すると、言っている。

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