『フランス 26の街の物語』池上 英洋 著、光文社(光文社新書)、2024年
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
序に変えて 王の料理人 —- Chantilly(シャンティイ)
『フランス 26の街の物語』を読んでみると思う。私事であるんですが、スイスのジュネーブに一年ほど住んでいたことがありまして、ジュネーブはフランス語圏であることもあり、フランスには、わりとあちこち旅行に行きました。
この本を、パラパラとめくると行った場所もところどころにありまして、写真などをみると、あ~懐かしいなぁ、と思うしだいです。
っということで、そんなことを懐かしがりながら、その土地の情報を整理しながら、読もうと思いました。まずは、Chantillyのようです。それでは、読み始めよう。
シャンティイは、パリから電車で30分ほどのところにある街である。
ここにあるシャンティイ競馬場は、1834年に近代フランスで最初のレースが開催された場所となる。
シャンティイ城は、フランスを代表する華麗なシャトー(城館)に一つである。そこには、世界でもっとも美しい装飾写本と言われる『ジャン・ド・ベリー公のいとも豪華な時禱書』がある。そこには、壁一面に古めかしい書物が置かれた図書館があり、ラファエロやプッサンなどの良質な絵画コレクション、さらに理路整然とデザインされた幾何学式庭園がある。
このシャンティイ城では、有名なクレーム・シャンティイを載せたワッフルが食べられる。この有名なホイップ・クリームは、シャンティイが発祥の地とされるが、実際には一六世紀には同様のものがイングランドやイタリアにあった。
そして、このカフェの奥には、だだっ広い厨房が広がっていて、そこに西洋食文化の歴史にその名を刻んでいるフランソワ・ヴァテルもここの料理人だった。
彼はルイ十四世紀時代のフランスで研鑽を積み、そして三二歳でコンデ公の「食の総監」となる。しかし、彼を成功に導いた完璧主義が徐々に彼の精神を蝕んでいった。ある会食では、予定より七五人多い客がやって来たせいで食材が足りず、気を病んだ彼はそれから一二日間も眠ることができなかった。
そして悲劇が起きた。一六七一年四月二四日、注文していた魚が不漁のためなかなか届かず、ついに食事をほど供すべき時間となった時、彼は壁に向かって駆け出し、飾られていた剣に自らの胸を三度叩き付けた、驚愕する給仕たちの前で彼が息絶えた時、扉の向こうには魚が届いていた。(抜粋)
目次
序に変えて 王の料理人 —- Chantilly(シャンティイ)[第1回]
Chapter 1 人の物語
レオナルド最後の日々 —- Amboise(アンポワーズ)
奇跡の泉 —- Lourdes(ルルド)
オルアンの少女 —- Orléans(オルレアン)
青髭の城 —- Tiffauges(ティフォージュ)
征服王の近親結婚 —- Cane(カン)
夢破れた画家—- Arles(アルル)
Chapter 2 芸術の物語
悩める画家の二つの都市 —- Giverny & Rouen(ジヴェルニーとルーアン)
洞窟壁画と黒い聖母 —- Lascaux & Rocamadour(ラスコーとロカマドゥール)
「新しき芸術[アール・ヌーヴォー]」の都 —- Nancy(ナンシー)
ある日本人画家の遺作 —- Reims(ランス)
映画の誕生—- Lyon(リヨン)
現代アートで蘇る街 —- Nantes(ナント)
Chapter 3 歴史の断片
黒い死に覆われた街 —- Marseille(マルセイユ)
いまだ謎の巨石群 —- Carnac(カルナック)
青色の世紀 —- Toulouse(トゥールーズ)
繰り返された脱出劇 —- Dunkerque(ダンケルク)
食通の都の歴史 —- Dijon(ディジョン)
大分裂で踊ろう —- Avignon(アヴィニョン)
Chapter 4 世界遺産を歩く
天使が舞い降りた岩山 —- Mont Saint-Michel(モン・サン・ミッシェル)
聖域の回廊 —- Moissac(モワサック)
月の港のワイン —- Bordeaux(ボルドー)
異端の里 —- Carcassonne & Albi(カルカソンヌとアルビ)
殉教者の目撃者 —- Nîmes(ニーム)
最後の授業 —- Strasbourg(ストラスブール)
後記にかえて 大きなものと小さなもの —- Chartres(シャルトル)
主要参考文献

コメント