「修飾の仕方」(その2)
岩渕悦太郎『悪文 伝わる文章の作法』より

Reading Journal 2nd

『悪文 伝わる文章の作法』岩渕 悦太郎 編著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

修飾の仕方(その2) 
長すぎる修飾語、はさみこみ

長すぎる修飾語

ここでは長い修飾語のために悪文になった例が挙げられている。これは面白いので全文を抜粋すると、まず原文が

調整所得金額とは、総所得の金額から基礎控除などの所得から差し引かれる金額を差し引いた後の金額から、更にまず変動所得の超過額と臨時所得の金額との合計額に当る金額を差し引き、次にその差し引いた後の金額に変動所得の超過額と臨時所得の金額との合計額の5分の1に当たる金額を加えた金額をいい、特別所得金額とは、変動所得の超過額と臨時所得の金額との合計額の5分の4に当たる金額をいいます。(抜粋)

著者はこの文章の問題点をいくつか挙げてそして次のように書き換えている。

調整所得金額とは、総所得の金額からつぎの(1)、(2)を差し引いた後の金額をいいます。
(1)基礎控除などの、所得から差し引かれる金額
(2)特別所得金額
ただし、「特別所得金額」とは、変動所得の超過額と臨時所得の金額との合計額の五分の四に当る金額をいいます。(抜粋)

なるほど、これなら・・・・・何となくわかるような気がする。

はさみこみ

最後に「はさみこみ」の問題が書かれている。「はさみこみ」とは、修飾語が長い時に、言葉の流れを切って、(   )や、— で囲って修飾される語の後ろに修飾語をはさみこむ、ことである。

著者は、この「はさみこみ」は、文章の流れを中断して、前にさかのぼって読むことを要求するので、良い文とは言えないとしている。ではどのようにすればよいかについては、

もっとも簡単な解決法は、修飾される語をくりかえして、・・・・(中略)・・・・とすることである。(抜粋)

としている。さらにはさみこまれる部分が長い場合は、そこを注)にまわす方がよいとしている。

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