2024-04

Reading Journal 2nd

曾根崎心中ーー言葉が人形に魂を吹き込む
山口 仲美 『日本語の古典』 より

近松門左衛門の『曾根崎心中』は、実際にあった心中事件を題材にした当時の大ヒット人形浄瑠璃である。近松の巧みな詞章により観客は人形に感情移入されていく。またその詞章は、全体を通してリズムカルな七五調で構成される日本語を代表する名文である。:『日本語の古典』より  
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紋切型を避ける / いやな言葉を使わない
辰濃和男 『文章のみがき方』 より

文章を書くうえで「紋切り型」の言葉を使わず独自の世界を目指すことも必要である。紋切り型と一番縁遠い「太陽の塔」のように冒険を恐れず書くことがよい。また、よい文章を書くには、自分が嫌だと思う言葉を使わないことも重要である。: 『文章のみがき方』より
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自己否定が自己肯定に変わる瞬間 / 障害のある子どもの限りない想像力
柳田邦男 『人生の一冊の絵本』より

子供たちの間では、些細なきっかけで、意地悪をしたり、いじめたりするトラブルが生じる。そんな時には、子どもの様子を察し、全身で包み込むような対応が必要である。また、近年は障害のある子どもに対する理解を深めようとする絵本も出てきている。:『人生の一冊の絵本』より 
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おくのほそ道ーー句を際立たせる
山口 仲美 『日本語の古典』 より

松尾芭蕉の『おくのほそ道』は、奥羽・北陸の歌枕・名所・旧跡の地を訪れて、その感慨を散文と俳句で記した俳諧紀行文である。漢文訓読調の散文は最後の俳句に収斂するように巧みに構成され、そして俳句は一語も他に置き換えられないほど推敲されている。:『日本語の古典』より
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書き直す / 削る
辰濃和男 『文章のみがき方』 より

文章を推敲し書き直すことは、とても重要である。文章の細かいところまで目を通し確認する必要がある。そして、必要のない文章は削ってしまうことも、重要である。文章は削れば削るほど、残っている部分を際立たせる効果がある。: 『文章のみがき方』より 
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疎外された少女に雪解けが / もうひとつのこころの動きが
柳田邦男 『人生の一冊の絵本』より

今回、紹介されている絵本たちは、一つはコンプレックスを持っている子どもが、友達との関係からそれを乗り越えていく絵本。もう一つは、子どもたちの”心の秘密“、”もう一人の自分“を描いている絵本たちである。:『人生の一冊の絵本』より 
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好色一代男ーー近世的なプレーボーイ
山口 仲美 『日本語の古典』 より

井原西鶴の『好色一代男』の文章は、横滑りするように流れる文章である。このような文章は、相手に執着しないことが「粋」だとばかりに、多くの女たちと刹那的に明るくおかしく遊ぶ主人公の世之介を描くためには最適な文章であった。:『日本語の古典』より  
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ゆとりをもつ / 抑える
辰濃和男 『文章のみがき方』 より

文章には、特に笑いを引き起こす文章には、ゆとりが必要である。自信があってゆとりがないと笑いは引き起こせない。また、感傷的な文章は、抑えることも必要である。感傷は詠嘆を押さえて書くことでかえってリアリティーが増す。: 『文章のみがき方』より
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[読書日誌] 『人生の一冊の絵本』
柳田邦男 著 [全27回]

この本は、著名なドキュメンタリー作家、柳田邦夫による絵本についての本である。現代になると絵本の領域は広がり様々なジャンルの絵本が発売されている。柳田は、そのような絵本の世界を幾つもの切り口から紹介している。:『人生の一冊の絵本』より 
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伊曾保物語ーー四五〇年前から愛された翻訳文学
山口 仲美 『日本語の古典』 より

『伊曾保物語』は、ラテン語の『イソップ物語』の翻訳である。室町時代にやってきた宣教師たちにより翻訳された。そして、江戸時代には、庶民に親しまれる物語となっている。イソポは教訓を抽象的に語るのではなく、動物たちを主人公にした物語で語っている。:『日本語の古典』より