2024-03

Reading Journal 2nd

方丈記ーー見事なドキュメンタリー
山口 仲美 『日本語の古典』 より

鴨長明の『方丈記』は、見事なドキュメンタリーである。長明は、「安元の大火」、「治承の大辻風」などの災害を体験し、その事実を正確に、さらに的確な比喩によってまるで目の前に起こっているような臨場感で記している。:『日本語の古典』より  
Reading Journal 2nd

繰り返し読む / 乱読をたのしむ
辰濃和男 『文章のみがき方』 より

文章修行でも「本を繰り返し」読むことは大切である。書くことと読むことは表裏一体であり、いい文章を読むことはいい文章を書くことの基本となる。そしてその読み方も「乱読」を楽しむこと、出来れば異分野の本を読むことがオススメである。: 『文章のみがき方』より
Reading Journal 2nd

「ほんたうのたべもの」としての童話(その2)
北川前肇 『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』 より

賢治が「どんぐりと山猫」で、伝えたかったメッセージは、「差別」することの愚かさである。法華経は無差別・無分別の仏の認識を基本にしているため、仏の目から見れば自分や他者という区別はない。そのような「真実なるもの」を伝えている:『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』より  
Reading Journal 2nd

今昔物語集ーー落差のある言葉遣いの魅力
山口 仲美 『日本語の古典』 より

『今昔物語集』は芥川龍之介によって文学的価値が認められるまで不遇な作品だった。物語全体に擬音語が、よい効果音となっている。また、言葉の使い分けが見事である。ここでは、落差のある言葉を使って効果をあげている例が解説されている。:『日本語の古典』より  
Reading Journal 2nd

毎日、書く / 書き抜く
辰濃和男 『文章のみがき方』 より

文章の修練には、まずは「毎日、何かの書く」ということから始めることが大切である。その時には、出来るだけ気負わない一行から始めよう。そして、気に入った文章を書き抜くことも、文章修行には欠かせない。: 『文章のみがき方』より  
Reading Journal 2nd

「ほんたうのたべもの」としての童話(その1)
北川前肇 『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』 より

宮沢賢治の童話は、動植物を擬人化したファンタジックな物語で知られている。しかし、その根底にはやはり法華経の教えがある。著者は賢治は、「真実なるもの」つまり諸法実相を童話という形で示そうとしたのではないかと語っている。:『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』より  
Reading Journal 2nd

大鏡ーー権力闘争を勝ち抜く男
山口 仲美 『日本語の古典』 より

『大鏡』は、藤原道長がどのように栄華を極めたかを語るのが目的である。道長の前後の天皇と藤原一門が人物別に描かれ楽しい読み物になっている。作者は、道長が「心魂のたけく」あったこと、「運におされ」たことにより、栄華をきわめたとしている。:『日本語の古典』より
Reading Journal 2nd

[読書日誌]『文章のみがき方』
辰濃和男 著 [全20回]

いい文章には、平明・正確・具体性・独自性・抑制・品格など大切な要素がいろいろとあるが、同時に「これを書きたい」という書き手の心の静かな炎のようなものが必要である。本書は、具体的な例を挙げ文章のみがき方を指南する: 『文章のみがき方』より 
Reading Journal 2nd

「春」と「修羅」のはざまで(後半)
北川前肇 『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』 より

賢治は、父の持つ特権意識に気が付き失望してしまう。そして、すべての人を平等に扱う「法華経」の思想に真実なるものを見つけて歩みだす。『春と修羅』は、このような法華経世界観がその土台になっている。:『宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる』より 
Reading Journal 2nd

堤中納言物語ーーカタカナを書く姫君は何歳か
山口 仲美 『日本語の古典』 より

『堤中納言物語』は日本最初の短編物語である。作者は別々の可能性が高いがどれも面白い。ここでは「虫めずる姫」を取り上げている。そして、姫の行動のユニークさを通して話の面白さを伝えるとともに、姫の年齢のなぞ解きをしている。:『日本語の古典』より