[再掲載]「星の王子周辺」6
内藤 濯 『星の王子とわたし』より

Reading Journal 1st

「星の王子とわたし」 内藤 濯 著
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2007-02-24)

星の王子周辺 星めぐり(一)

サン・テグジュぺリは友人らしい友人をいくらも持っていなかった。

サンテグジュベリは一九三六年、リビヤの奥地で通りかかった商隊に一命を救われるまで、一度もほんとうの友人にぶつからなかった。「ぼくは、そんなわけで六年まえ、飛行機がサハラ砂漠でパンクするまで、親身になって話をする相手がまるきり見つからずに、ひとりで暮らしていました」と物語のはじめにあるのがそれである。

この孤独感は分身である星の王子にも大きな問題であった。
星は小さく、そこには気まぐれなバラしかいなかった。そこで、星の王子は

旅に出て、「親身になって話をする相手」を探そうとするのである。

しかし、旅の最初の星めぐりでは、この人というほどの人には出会わなかった。

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