[再掲載]「星の王子周辺」5
内藤 濯 『星の王子とわたし』より

Reading Journal 1st

「星の王子とわたし」 内藤 濯 著
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2007-02-10)

星の王子周辺 感情生活(三)、感情生活(四)

ここでは、パリに戻ってからのサン・テグジュぺリの人生を縦軸にコンスエロとの結婚生活を横軸に話が進む。

サン・テグジュぺリの結婚生活は、どこからどう見ても、きちんとしたところがなかった。(抜粋)

彼はコンスエロの欠点に苦しみながらも、

それでも、サン・テグジュぺリは、コンスエロの起居ふるまいに責任を感じた。年をとるにつれて、しだいに父親らしい感情をもつようになったとでも言おうか、やんちゃではあっても可愛がられている子供、サン・テグジュぺリはコンスエロを、そんな女としいて取りあつかっていた。(抜粋)

しかしながら、結婚後七年たったある日、サン・テグジュぺリは、コンスエロに一年間の休暇を求めた。いわゆる別れ話ではなく、彼の航空熱や作家としての衝動を実行するためには、家庭からの解放が必要と考えたからである。
そして、その一年間の休暇はいつのまにか五年間になってしまう。
その間に、ナチスドイツによる侵略戦が勃発し、彼はコンソエロを故国に残し、ニューヨークに亡命してしまう。
そして、ニューヨークのアパートの一室で星の王子さまが書かれる。

王子はそこで、うっかりバラの花を棄てた浅はかさをくやしがっている。
「ぼくはあの時、なんにもわからなかったんだよ。あの花のいうことなんか取り上げずに、することで判断しなけりゃあ、いけなかったんだ。ずるそうな振舞いをしているけど、根はやさしいことを汲み取らなけりゃいけなかったんだ。花のすることったら、とんちんかんだから。だけどぼくは、あんまり小さいから、あの花を愛することがわからなかったんだ。」(抜粋)

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