[再掲載]「星の王子周辺」9
内藤 濯 『星の王子とわたし』より

Reading Journal 1st

「星の王子とわたし」 内藤 濯 著
[Reading Journal 1st:再掲載]
(初出:2007-02-28)

星の王子周辺 二つの場面

星の王子さまには、小さい場面が幾つかはめ込まれている。そのうちの二つの場面について書かれている

※鉄道スイッチマンに出会う場面

特急列車が走り抜けるなか、王子は鉄道スイッチマンに、みな凄く急いでいるけど何で急いでいるのかたずねる。スイッチマンは「それは知らないんだよ」と答えると今度は反対方向から特急が走り抜ける。
さっきのが戻ってきたのかと王子がたずねると。

そうではない、すれちがっただけのことだ、人間というやつぁ、いるところが気にいることなんて、ありゃしないよ、と吐き出すようにいう。(抜粋)

そして、

窓ガラスに額を押しあてている子供たちは、何かを求めているだけ幸福だ、と意味ありげに言う。(抜粋)
ずばりと言ってのければ、行動のすべてを特急列車に委せきっているキノコにすぎないのである。寄生的存在にすぎないのである。
・・・・・中略・・・・・・
窓ガラスに額を押しあてているきりで、何ひとつしないかのように見える子供がかえって、意味のある時をおくっているのだった。(抜粋)

※泉の場面

王子が水を飲みたくて歩いている時、丸薬を売っている人に出会う。
その丸薬を一週に一つ呑むとのどの渇きがケロリと治ると商人が言う。そして一週に五十三分時間の節約になる。
そして王子は、

「ぼくがもし、五十三分っていう時間をすきに使えるんだったら、どこか水がこんこんと湧くところへ、ゆっくりと歩いてゆくんだがなあ」と思う(抜粋)

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