[レビュー]

Reading Journal 2nd

[レビュー] 『陰翳礼讃・文章読本』
谷崎 潤一郎 著

谷崎潤一郎は『陰翳礼賛』で日本の美は、暗さとその陰翳にあるとした。それは、庇を張り出し鈍い光しか入らない座敷の美に始まり、漆器、そしてそれに盛られた料理の美、さらには金屏風や能衣装などの暗闇に光る美、すべてが暗闇と陰翳が関係している。:『陰翳礼讃・文章読本』より
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[レビュー] 『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』
谷崎 潤一郎 著

『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』は、谷崎潤一郎の戦前の代表作を集めた「現代日本文学館」シリーズの一冊である。ここでは谷崎の初期の耽美な世界が描かれている。また、井上靖による谷崎潤一郎の評伝と作品解説がある。:『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』より
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[レビュー]『注文の多い料理店』
宮沢 賢治 著

『注文の多い料理店』は、宮沢賢治が生前に出版した二冊の本の中の一冊で、童話集としてはこの本だけである。宮沢賢治は、『法華経』に深く帰依し、この童話も法華文学として書いている。ここでは、「法華経」を意識して読むことを試みた。:『注文の多い料理店』より
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[レビュー]『ヘッセの読書術』
ヘルマン・ヘッセ 著

『ヘッセの読書術』は、ヘルマン・ヘッセの書物に関するエッセイを集めたものである。長短13タイトルが並び、読書案内や読書の姿勢、本の扱い方などの様々な問題を扱っている。また、短く軽いエッセイもあり大家の日常がしのばれる。:『ヘッセの読書術』より
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[レビュー]『月の満ち欠け 岩波文庫的』
佐藤正午 著

『月の満ち欠け』は、生まれ変わりをテーマとした小説である。思いを寄せる男性に会うために何度も生まれ変わってくる。現在・過去の時間軸、それぞれ話し手が変わる。それが組み合わせって進行し、最後まで飽きさせず読者を導いている。:『月の満ち欠け 岩波文庫的』より
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[レビュー]『チャーリーとの旅』
ジョン・スタインベック 著

『チャーリーとの旅』は、スタインベックによるアメリカ一周の旅の記録である。彼は、『自分の国を知らない』ことに気がつき、キャンピングカーで、犬一匹を連れて旅立つ。そこで見た風景や出会った人々を通してアメリカをルポルタージュする。:『チャーリーとの旅』より
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[レビュー]『『空海の風景』を旅する』
NHK取材班 著

『『空海の風景』を旅する』は、司馬遼太郎の『空海の風景』を元にしたNHKの特番「空海の風景」を本にしたものである。『空海の風景』の世界をもう一回り大きく取材し、その内容に新たなエピソードを添え、空海という天才に迫ろうとしている。:『『空海の風景』を旅する』より
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[レビュー]『空海の風景 新版』
司馬遼太郎 著

司馬遼太郎の『空海の風景』は、「天才とはなにか」ということを空海という人物を通して描いた伝記である。しかし、この作品はそれにとどまらず司馬遼太郎の真言密教、仏教の考え方、そして「理趣経」を通しての性欲への問題意識がある。:『空海の風景』より
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[レビュー]『引き揚げを語る』
読売新聞生活部 編

日本で民間の引き揚げ人数は約三一九万人、そして犠牲者は約三〇万人であった。この数は、広島の原爆、沖縄戦、東京大空襲などの犠牲者と比べても圧倒的に多い人数である。そして、実際の戦争というものの凶悪さはこの引き揚げのような状況の中にある。:『引き揚げを語る』より
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[レビュー]『灯台へ』
ヴァージニア・ウルフ 著

ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』は、斬新な文体と繊細極まる内部表現によって、モダニズム小説の先駆であり頂点の一つとされる小説である。幼いジェームズの「灯台に行きたい」という願いに始まり、それから十年後、彼らは灯台に到着する。:『灯台へ』より