Reading Journal 2nd

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「無力感・効力感の日米比較」
波多野誼余夫 / 稲垣佳世子『無気力の心理学 改版』より

アメリカ社会は、達成志向型社会であり、自らの業績が優先される。そして、失敗した場合は落胆も大きい。それに比べて日本のように親和性の高い社会では、個人の競争は回避され、失敗した場合もその努力が認められる。『無気力の心理学 改版』より
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[読書日誌]『コヘレトの言葉を読もう』
小友 聡 著 [全14回]

この本は、従来、反面教師ととらえられていた旧約聖書の「コヘレトの言葉」を黙示思想の「ダニエル書」の対論ととらえて読んでいく。そして、空しさにあえぐ私たちに向かって、「生きよ」「生きるのだ」というメッセージを読み解いている。:『コヘレトの言葉を読もう』より 
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「むすび」と「解説(一ノ瀬俊也)」
藤原彰『餓死した英霊たち』より

日本陸軍の非合理な精神主義、独善的な攻勢主義により、補給を無視した作成第一主義による戦闘始動がなされた。その結果が大量の餓死が出ることになる。これについて、陸海軍エリート軍人の責任は明らかである。:『餓死した英霊たち』より 
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「効力感の社会的条件」(その2)
波多野誼余夫 / 稲垣佳世子『無気力の心理学 改版』より

今日では熟達に内的満足をもって生活しているのは、スペシャリストと局外者だけであるが、彼らの精神的自由は特権階級のものである。福祉社会では、外的な動機付けの効果が無くなり、内的な喜びを強調することが、無力感を持たない社会にする唯一の方法である。:『無気力の心理学 改版』より
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「あとがき」
木下長宏『ゴッホ<自画像>紀行』より 

木下長宏は、ゴッホの絵画の制作年に問題があることを発見する。それを正すことが本書の目的の一つである。そして、自画像をキーワードにした美術史というものに長年取り組んでいる。本書のもう一つの目的は、ゴッホについてその仕事をまとめることである。:『ゴッホ<自画像>紀行』より
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「降伏の禁止と玉砕の強制」(その2)
藤原彰『餓死した英霊たち』より

日本軍では、降伏が禁じられ、捕虜となることも禁じられていた。そして、戦況が不利になっても大本営は何も救援の手立てをとらずにいた。そのため、いやおうなしに餓死か玉砕という選択を迫られた。このような日本軍の考え方が多くの餓死者を生むことになる。:『餓死した英霊たち』より 
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「効力感の社会的条件」(その1)
波多野誼余夫 / 稲垣佳世子『無気力の心理学 改版』より

効力感を持てる社会にするためには、誰もが意味のある熟達の機会を持ち、外的な成功をしなくても生活が維持できることが必要である。今の管理社会は、本当の熟達が可能ではなく、外的な成功による効力感に頼っている。その効力感は成功をし続けなければ維持できない。:『無気力の心理学 改版』より 
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「自画像の人類史を駆け抜ける」
木下長宏『ゴッホ<自画像>紀行』より 

人類史を自画像の観点から見ると、「自画像以前の時代」「自画像の時代」「自画像以降の時代」と別れる。そしてゴッホの絵も、オランダ時代は「自画像以前に時代」、パリ時代が「自画像」の時代、アルルで発作を起こした後が「自画像以降に時代」に対応する:『ゴッホ<自画像>紀行』より
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「降伏の禁止と玉砕の強制」(その1)
藤原彰『餓死した英霊たち』より

日本軍には、降伏がないことを建前として堅持していた。また、日清日露戦争期には、捕虜に対する処遇は正しく行われていたが、第一次世界大戦ごろになると捕虜は不名誉だという考え方から、捕虜政策は大きく転換した。そして、日本軍は捕虜となると帰国後重罪に処せられた。:『餓死した英霊たち』より 
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「効力感を伸ばす学校教育」
波多野誼余夫 / 稲垣佳世子『無気力の心理学 改版』より

効力感を育てるために学校教育で注意すべきことは、評価の際に相対評価でなく到達度評価にすること、そして自分の努力の結果であると思える評価にすることである。また、友達と教えあう機会を多くもうけることも効力感を得るきっかけとなる。:『無気力の心理学 改版』より